井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2023.05.26.Fri | 税金(法人)

会社が従業員に社宅を貸したときの課税(現物給与)の取り扱いについて ~ 法人節税策の基礎知識[104]                                    



今回は





従業員に対して社宅を貸与する場合には、従業員から1か月当たり賃貸料相当額の50パーセント以上の家賃以上を受け取っていれば給与として課税されません





を紹介します。







賃貸料相当額とは



賃貸料相当額とは、次のAからCの合計額をいいます。

A: 建物の固定資産税の課税標準額×0.2%

B :12円×(建物の総床面積 ㎡/3.3㎡)

C: 敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、上記のAからCを合計した金額が賃貸料相当額となります。

したがって、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認することが必要になります。



給与として課税される範囲は次のとおりです



① 従業員に無償で貸与する場合

賃貸料相当額が給与として課税されます。


② 従業員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合

受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。

ただし、従業員から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50パーセント以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。


③ 現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担

社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。



具体例としては次のとおりです



たとえば、賃貸料相当額が10,000円の社宅を従業員に貸与した場合


① 従業員に無償で貸与する場合には、10,000円が給与として課税されます。

② 従業員から3,000円の家賃を受け取る場合には、賃貸料相当額である10,000円と3,000円との差額の7,000円が給与として課税されます。

③ 従業員から6,000円の家賃を受け取る場合には、6,000円は賃貸料相当額である10,000円の50パーセント以上ですので、賃貸料相当額である10,000円と6,000円との差額の4,000円は給与として課税されません。



(出所:国税庁タックスアンサー No2597)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

小満の1日、元気にお過ごしください。







[編集後記]

金曜日の「資産税」はお休みしました。







ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日~水曜日は「消費税」

・木曜日は「法人税」または「経理・会計」

・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」











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