井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2022.03.25.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

死亡した父親が他人の借入金の保証人になっていました。この保証債務は債務控除の対象となりますか? ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[101]



資産税に関する記事です。



今回は




保証債務は債務控除の対象となりません。確実な債務とはいえないからです。ただし、例外があります




紹介します。





保証債務とは




保証債務とは、他人が債務を履行しない場合に、その債務を他人に代わって履行すべき保証人の債務のことをいいます。




原則として保証債務は債務控除の対象となりません




なぜならば、保証債務は、保証債務を履行した場合は求償権の行使により補てんされるという性質を有するため、確実な債務とはいえないからです。




言い換えますと




保証人が債務者の代わりに債務を履行すると,債務者から債務履行をした金額の返還を受ける権利、求償権を得ることになるからです。




被相続人(父親)の保証債務は相続の対象にはなります




しかし、相続税の計算上、相続財産の価額から控除できる被相続人の債務は、「相続開始の際現に存するもの」で、債務の履行が「確実と認められるものに限る」とされているため、原則として債務控除の対象にはなりません。


つまり、保証債務は、実際に、その債務を履行することになるかが不確定です。


また、債務を履行したとしても、法律上、債務者に弁済を要求できる求償権により損失が補てんされることとなります。


したがって、「確実と認められる債務」には該当しないとして、債務控除の対象にはなりません。




例外として、次の場合は債務控除の対象となります




① 債務者が弁済不能の状態であるため,保証人が債務を履行しなければならない。

② かつ、債務者から求償権による返還が見込めない場合。



上の①と②に該当する場合、これは「確実と認められる債務」に該当することから、相続時において債務者がその状況であれば、債務控除の対象となります。

債務者からの返還が見込めない状態であるかどうかは、債務者の財政状況などを総合的に考慮して判断します。





「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」

(ピーター F.ドラッカー)

春の1日を元気にお過ごしください。






[編集後記]

トップ画像は吹田警察署。

昨日、自動車免許の更新に行きました。

免許事務以外でも署内は混んでいました。







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