井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2025.11.20.Thu | 税金(相続・贈与・譲渡)

老人ホームに入居した後、空き家の自宅を売ったときの3,000万円特別控除について ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[180]




所得税や相続税の記事を掲載します。






被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について






を紹介します。




先日、次のようなご照会を受けました。

「先日、日常生活に介護が必要となった母親(89歳)が施設に入所しました。自宅は空き家です。母親が他界する前に自宅を売却するのがよいのか?それとも他界後、自宅を売却した方がよいのか?どちらがよいのか?」

様々の状況を判断する必要がありますが、空き家特例をご説明しました。




ざっくりとは




相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。


ただし、令和6年1月1日以後に行う譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円までとなります。




特例の対象となる「被相続人居住用家屋」とは




1 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で、次の3つの要件すべてに当てはまるものをいいます。

① 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。

② 区分所有建物登記がされている建物でないこと。

③ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。


なお、要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所するなど、特定事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合で、一定の要件を満たすときは、その居住の用に供されなくなる直前まで被相続人の居住の用に供されていた家屋(「従前居住用家屋」といいます。)は被相続人居住用家屋に該当します。

※「従前居住用家屋」のルールは省略します。


2 相続の開始の直前(従前居住用家屋の敷地の場合は、被相続人の居住の用に供されなくなる直前)において被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地またはその土地の上に存する権利をいいます。




特例の適用を受けるための7つの要件




(1)売った人が、相続または遺贈により被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を取得した相続人であること。


(2)次のイ、ロまたはハの売却をしたこと。


イ 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋を売るか、被相続人居住用家屋とともに被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。

ロ 相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。

ハ 省略


(3)相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。


(4)売却代金が1億円以下であること。


(5)売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。


(6)同一の被相続人から相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等について、この特例の適用を受けていないこと。


(7)親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売ったものでないこと。




ルールは詳細に決まっています。適用の是非は、チェックリストで慎重に検討します。








(出所:国税庁タックスアンサー NO.3306)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。

(ピーター・F.ドラッカー)

立冬の1日、元気にお過ごしくださいね。







[編集後記]


消費税の記事はお休みしました。



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