公益信託が租税特別措置法第40条の適用を受ける場合の対応について(「一般特例」の場合) ~ 公益信託[84]

公益信託の記事を掲載します。
公益信託認可等ガイドライン(令和7年12月)から「公益信託が租税特別措置法第40条の適用を受ける場合の対応について」
を紹介します。
以前の記事でも取り上げてますが、重要なことなので再度記事にします。
ガイドラインの「第2信託行為の記載事項(各論)」のうち、最後に「20公益信託が租税特別措置法第40条の適用を受ける場合の対応」として解説があります。(P134~137)
その解説は次のようなものです。
みなし譲渡とは
個人(「寄附者」という。)が土地、建物、株式など譲渡所得が生じ得る財産を公益信託の受託者を含む公益を目的とする事業を行う法人等に寄附(信託譲渡を含む。以下この項において同じ。)をした場合、
その寄附者に、当該財産の取得時から寄附時までの値上がり部分について原則として所得税が課税されます。
一定の要件を満たす寄附として国税庁長官の承認を受けたときは
この所得税を非課税とする制度が設けられています(租税特別措置法第40条第1項後段)。
この特例には、「一般特例」(租税特別措置法第40条第1項後段、と「承認特例」(同条第7項)の2つの制度があります。
公益信託の受託者への寄附にこれらの制度を利用する場合には公益信託の信託行為において一定の対応が求められます。
「一般特例」の場合
公益信託の受託者に対する寄附について、寄附者が「一般特例」の適用を受けるには、租税特別措置法施行令第25条の17第5項に規定する非課税承認要件を満たす必要があります。
同項第3号では、この非課税承認要件の一つとして、寄附者の所得税やその者の親族等の相続税等を不当に減少させないこと(以下「不当減少要件」という。)を定めています。
公益信託が同条第6項第2号に定める要件を満たす場合には、この不当減少要件を満たすこととなります。
同条第6項第2号に定める「不当減少要件」とは次のとおりです
① 公益信託が、信託行為により適正に運営されるものであること。
② 信託行為に公益信託の目的に関し学識経験を有する者等から構成される運営委員会等を置く旨の定めがあること。
③ 委託者、受託者、信託管理人等に対して公益信託の運営等に関して特別の利益を与えないこと。
④ 信託行為に残余財産が国、地方公共団体、公益法人等に帰属する旨の定めがあること。
つまり、運営委員会の設置が必要です
同号に定める要件を満たすには、その公益信託の受託者の全てが公益社団法人等で一定の者である場合を除き、公益信託の目的に応じた学識経験者等から構成される運営委員会その他これに準ずるもの(以下「運営委員会等」という。)を設置する旨を信託行為に定めることが必要となることに留意します。
運営委員会等について、税法上「公益信託の適正な運営に資する一定の要件を満たすもの」とされていますが、これは公益信託規則第1条第13号の「適正な運営のために不可欠なもの」として信託行為に定められた合議制の機関と同様の趣旨と解されます。
したがって、税法上の要件を満たすような運営委員会等については、公益信託法上の「合議制の機関」として取り扱うこととなります。
「運営委員会等」に係る税法上の要件は、具体的には次のとおりです
(租税特別措置法施行規則第18条の19第5項)
① 信託行為において、「運営委員会等」が、公益信託の目的に応じた学識経験を有する者、公益信託の適正な運営に必要な実務経験を有する者その他の者(以下「運営委員等」という。)から構成される旨の定めがあること(同項第1号)。
② 信託行為において、運営委員等のうち親族等の数が当該運営委員等の数のうちに占める割合は、三分の一以下とする旨の定めがあること(同項第2号)。
③ 信託行為において、当該公益信託の受託者は、信託財産の処分その他の公益信託事務の処理に関する重要な事項について、運営委員会等の同意を得なければならない旨の定めがあること(同項第3号)。
④ 信託行為において、運営委員等に対して当該公益信託の信託財産から支払われる報酬の額は、その任務の遂行のために通常必要な費用の額を超えないものであることが明らかであること(同項第4号)。
(出所:公益信託認可等ガイドライン 令和7年12月 内閣府公益認定等委員会内閣府公益法人行政担当室)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター・F.ドラッカー)
雨水の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
消費税の記事はお休みしました。
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。


