井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2022.12.11.Sun | 消費税

インボイスの保存が不要となる「1万円未満の課税仕入れの特例」について ~ インボイス制度 消費税[271]



消費税の記事を掲載します。




今回は





令和5年度税制改正検討事項として、新たなインボイス特例「1万円未満の課税仕入れの特例」が取り上げられています




を紹介します。



12月中旬に令和5年度与党税制改正大綱がとりまとめられる予定です。

その中で、インボイス制度の改正として「1万円未満の課税仕入れの特例」があります。

現在分かっている内容としては次のとおりです。



「1万円未満の課税仕入れの特例」とは



① インボイス制度施行(2023/10/01)から6年間

② 次のどちらかに該当する事業者は 

ⅰ 基準期間における課税売上高が1億円以下である事業者

ⅱ 特定期間における課税売上高が5000万円以下である事業者

1万円未満の課税仕入れについてインボイスの保存がなくても帳簿のみで、仕入税額控除ができる というものです。


現在の仕入税額控除の要件として、たとえ一本100円のボールペンでもインボイスがないと仕入税額控除できないという、ルールになっています。

この特例ができた場合、こうしたルールが変更になります。



現在の仕入税額控除のルールは次のようになっています



インボイス制度では、仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として法定事項を記載した帳簿およびインボイスなどの保存が必要です。




保存すべき請求書にはインボイスのほか次の4つの書類が含まれます



① 適格簡易請求書(いわゆる簡易インボイスです)

② インボイスまたは適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録(いわゆる電子インボイスです)

③ インボイスの記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書など

(課税仕入れの相手方において課税資産の譲渡等に該当するもので、相手方の確認を受けたものに限ります。電子書類を含みます)

④ 媒介または取次ぎに係る業務を行う者が作成する次の書類(電子書類を含みます)

ⅰ 卸売市場法に規定する卸売市場において、卸売業者が卸売の業務として出荷者から委託を受けて行う生鮮食料品などの販売

ⅱ 農協等から委託を受けて行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式によるものに限ります。)



一方



法定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる取引は次のとおりです





請求書などの交付を受けることが困難であるなどの理由によります。




① 公共交通機関特例の対象としてインボイスの交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送

② 簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)

③ 古物営業を営む者のインボイス発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります)の購入

④ 質屋を営む者のインボイス発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります)の取得

⑤ 宅地建物取引業を営む者のインボイス発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります)の購入

⑥ インボイス発行事業者でない者からの再生資源および再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります)の購入

⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機および自動サービス機からの商品の購入など

⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります)

⑨ 従業員などに支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当および通勤手当)



(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問74)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

冬の1日、元気にお過ごしくださいね!








[編集後記]

・ 日曜日の「経理・会計」の記事はお休みしました。

・ 近くのお店「CAGOM」のお弁当です(トップ画像)



・ 今年の10月からのブログ記事は、ほとんどインボイス関連の記事になっていますね。改正や変更内容が大きく、多いからです。公表されるQ&Aはかなりのボリュームになります。







ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。



・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」

・火曜日~木曜日は「消費税

・金曜日と土曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税

・日曜日は「経理・会計」






免責


ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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