井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2023.01.07.Sat | 消費税

インボイス方式での売上税額の計算方法は、割戻し計算が原則、積上げ計算が特例です。仕入税額の計算方法は、積上げ計算が原則、割戻し計算が特例です ~ インボイス制度 消費税[294]



消費税の記事を掲載します。





今回は





売上税額の計算方法は、割戻し計算が原則。積上げ計算が特例です。仕入税額の計算方法は原則と特例が逆転します





を紹介します。



売上税額の計算方法は、原則は「割戻し計算」です



「割戻し計算」とは、その課税期間の税込売上高の合計額を基礎とする計算方法です。



具体的には



税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、108分の100または110分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(6.24%又は7.8%)を掛けて売上税額を算出します。



売上税額の計算方法の特例は「積上げ計算」です





「積上げ計算」とは、交付したインボイスに記載した消費税を基礎とする計算方法です。



具体的には



相手方に交付したインボイスまたは簡易インボイスの写しを保存している場合には、これらの書類に記載した消費税額の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とします。



ただし、次の注意点があります



① 売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。


② 簡易インボイスに消費税額を記載しない場合は適用できません。



仕入税額の計算方法は、原則は「積上げ計算」です



「積上げ計算」とは、相手方から交付を受けたインボイスなどに記載されている消費税額のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します。(請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算の2つがあります)



仕入税額の計算方法の特例は「割戻し計算」です





その課税期間の税込課税仕入れの合計額を基礎とする計算方法です





具体的には



税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、108分の6.24又は110分の7.8を掛けて算出した金額を仕入税額とします。

ただし、売上税額について、割戻し計算によることが要件になります。





これらをまとめると次のようになります








売上税額の計算方法において、「割戻し計算」と「積上げ計算」を併用することは認められています。一方、仕入税額の計算方法において、「積上げ計算」と「割戻し計算」を併用することはできません







(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問100)







変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

冬の1日、元気にお過ごしくださいね!










[編集後記]

土曜日の「資産税」の記事はお休みしました。








ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。



・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」

・火曜日~木曜日は「消費税

・金曜日と土曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税

・日曜日は「経理・会計」








免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。

また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。

本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。








投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ