井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2023.06.02.Fri | 消費税

課税期間をまたぐインボイスの売上税額の計算について ~ インボイス制度 消費税[383]



消費税の記事を掲載します。



今回は





「課税期間をまたぐ期間のインボイス」と「課税期間をまたがないインボイス」の取り扱い





を紹介します。







たとえば



Q:



当社は3月決算の法人です。売上げの請求書は毎月20 日締めとしています。

3月21日から4月20 日までの期間に係るインボイスは、同期間に係る消費税額を記載し

ています。これを基に売上税額について積上げ計算することができますか?



A:



売上税額の積上げ計算とは



売上税額の計算については、交付したインボイスを保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)。



3月21日から4月20 日までの期間の消費税を記載したインボイスを交付した場合



翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額も合計して記載されていることになるため、これを基に売上税額の積上げ計算をすることはできません。



課税期間に範囲に応じた税額の区分記載が必要になります



つまり、課税期間をまたぐ期間(3月21日から3月31日および4月1日から4月20日)に係る取引をまとめて一のインボイスとする場合は

そのインボイスにおいて、課税期間の範囲に応じてインボイスの記載事項をそれぞれ区分して記載していれば、その課税期間で区分した税率ごとに合計した課税資産の譲渡に係る税込対価(税抜対価)の額から算出した消費税額を、インボイスの消費税額としても問題ありません。



一方で、課税期間をまたがない期間インボイスについては区分記載を認められません



すなわち、次のとおりです。



「一のインボイスを交付する場合においては、その期間内で任意に区分した期間に応じた税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税込対価(税抜対価)の額から算出した消費税額等を記載したとしても、当該消費税額等は、インボイスの記載事項としての消費税額等とはなりません。」



ただし、決算締切日を継続して3月20日としているような場合



消費税の資産の譲渡等の時期についても、同じ取り扱いとすることが認められています

このように決算締切日により、法人税、消費税の申告をしている場合には、売上税額の積上げ計算のための課税期間ごとの区分の対応は不要になります。



<参考>

法人税基本通達2-6-1

決算締切日



「法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。」





(出所:インボイスに関するQ&A 令和5年4月改訂 問122)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

梅雨に入りましたが、1日を元気にお過ごしくださいね!







[編集後記]

トップの画像は、夙川を散歩したときの画像。甲陽園のツマガリ本店に立ち寄りました。

金曜日の「資産税」の記事はお休みしました。










ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日~水曜日は「消費税」

・木曜日は「法人税」または「経理・会計」

・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」











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