井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2025.10.14.Tue | 消費税

国外の免税事業者からの特定課税仕入れの取扱い ~ インボイス制度 消費税[747]




消費税の記事を掲載します。







免税事業者であっても、提供される役務が「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するのであれば「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた事業者に納税義務が生じます




を紹介します.






たとえば




Q:




1 A社は簡易課税制度の適用はありません。また課税売上割合も95%未満です。


2 国外の免税事業者にインターネットによる広告配信を依頼しました。


3 免税事業者からの特定課税仕入れ(事業者向け電気通信利用役務の提供)については、リバースチャージ方式により申告を行う必要があるのでしょうか?




A:




1 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた国内事業者に納税義務が課されています。リバースチャージ方式により消費税の申告をする必要があります。


2  「特定課税仕入れ」とは、課税仕入れのうち事業として他の者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」をいいます。


3 その提供者が免税事業者であっても、提供される役務が「事業者向け電気通信利用役務の提供」に該当するのであれば、「特定課税仕入れ」として役務の提供を受けた事業者に納税義務が課されます。



4 したがって、A社の当課税期間に簡易課税制度の適用がなく、課税売上割合が95%未満であれば、リバースチャージ方式による申告が必要です






<参考1>




1 国内事業者が国外事業所等(所得税法又は法人税法に規定する「国外事業所等」をいいます。)で受ける「事業者向け電気通信利用役務の提供」のうち、国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものについては国外取引とされ、課税の対象とはなりません。


2 国外事業者が恒久的施設(所得税法又は法人税法に規定する「恒久的施設」をいいます。)で受ける「事業者向け電気通信利用役務の提供」のうち、国内において行う資産の譲渡等に要するものについては国内取引とされ、この国外事業者が一般課税で申告を行う事業者で、その課税期間の課税売上割合が95%未満である場合は、リバースチャージ方式により申告をする必要があります。




<参考2>




「特定資産の譲渡等」とは


電気通信利用役務の提供に該当する取引のうちで、事業者向け提供に該当する取引


「特定仕入れ」とは


事業として他の者(国外事業者)から特定資産の譲渡等を受けること


「特定課税仕入れ」とは


特定仕入れであって課税仕入に該当するもの




消費税法 第4条 

(課税対象)



「国内において事業者が行った資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第3項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。」




消費税法 第5条 

(納税義務者)



「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第30条第2項及び第32条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。」




消費税法基本通達 5-8-1 

(特定資産の譲渡等に係る納税義務)




「特定資産の譲渡等については、当該特定資産の譲渡等を行う国外事業者が課税事業者であるかどうかにかかわらず、当該特定資産の譲渡等を受けた事業者が、当該特定資産の譲渡等に係る特定課税仕入れについて納税義務者となることに留意する。


(注) 所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)附則第42条《特定課税仕入れに関する経過措置》及び第44条第2項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置》により、当分の間、課税売上割合が100分の95以上の課税期間(簡易課税制度が適用されない課税期間に限る。)及び簡易課税制度が適用される課税期間については、その課税期間に行った特定課税仕入れはなかったものとして消費税法の規定が適用されるのであるから留意する。」








(出所:国税庁質疑応答事例 消費税 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係)






「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

寒露の1日、朗らかにお過ごしくださいね。










[編集後記]







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