税制改正により所得拡大促進税制の拡充が行われます

この所得拡大促進税制とは、賃上げを行う企業への支援を強化するものです。今回の改正は企業にさらなる賃上げのインセンティブを与える機能を強化しようとするものです。

その拡充の内容(中小企業の場合)

① 給与等支給額の総額が平成24年度比で、平成25,26年度が各2%以上、27~29年度が各3%以上増加していること

② 給与等支給総額が前事業年度以上であること

③ 平均給与等支給額が前事業年度を上回ること

すべての要件を満たす場合に、③の増加割合が2%未満の場合は給与等増加額の10%を税額控除、2%以上の場合は給与等増加額の22%を税額控除できるというものです。税額控除ですので、利益が出て所得があり法人税が発生している場合に、メリットがあります。

改正の背景と法人住民税のメリット

事業主の社会保険料負担が年々増しているので、その対応策として賃上げのインセンティブを高めたそうです。なお中小企業では、適用年度の法人住民税(都道府県民税、市町村民税)も、税額控除後の法人税額を基礎として計算するということなので、さらなる減税効果が期待できます。

新設法人においても適用されます

過去の給与支給総額との比較の算式になっていますので、継続して事業を行っている法人だけに適用があるように見えますが、実は特例があります。新設法人にもその特例を使って適用することが可能です。

ただし、原則として正社員や週20時間以上働くパートタイマーの方がおられ、一般被保険者に該当される場合は雇用保険の加入を前提として制度設計されていますので、未加入の場合は、この特例制度の適用は難しいものと思われます。

ほかに、「償却資産にかかる固定資産税の特例の拡充」も要注意の改正事項だと思っています

今までは、対象が機械装置のみでしたが、対象設備に一定の器具備品、建物附属設備等が追加されています。しかし、追加されたものは対象地域や業者が限定されています。大阪では医療業、福祉・介護業などのサービス業とされていますが、詳細は不明です。

(「税理士会 第1349号」「週刊税務通信 第3325、3358、3448号」を参考にしました。)