井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.04.08.Sun | 税金(贈与)

「贈与契約書が必要ですか?毎年、こどもや孫に110万円の贈与をしています。こどもや孫の名義で銀行預金をしています」~贈与税で誤りやすい事例⑦

日曜日は「贈与税で誤りやすい事例」を紹介しています。

 

今回は

「贈与契約書が必要ですか?毎年、こどもや孫に110万円の贈与をしています。こどもや孫の名義で銀行預金をしています」

です。

 

預貯金の生前贈与の問題です

相続税の計上漏れ財産の首位は現金・預貯金です。相続税ともからんできます。

預貯金の生前贈与に対する誤解が原因です。

 

こういうケースが多くあります

1年間(1月1日~12月31日)に110万円までの贈与は、贈与税が課税されません。したがって、「毎年、こどもや孫に110万円を贈与しているので、相続対策は大丈夫」と思っている方も多いと思われます。

 

前回、ざっくりと生前贈与を行うための留意事項を次のとおり指摘しました。

次の5点です。

 贈与契約書の作成

② 贈与内容の履行

③ 通帳、カード、証書および印鑑の管理

④ 受贈者による使用収益権の確保

⑤ 贈与税の申告納付

 

今回は「①贈与契約書の作成」を紹介します。

 

贈与契約書の作成は、税務上重要です

民法上の贈与は口頭でも成立します。贈与契約書の作成は贈与の成立のための絶対的な要件ではありません。しかし、預貯金の移動原因が贈与であることを明確にするとともに、その贈与の内容の詳細を明示し書面で記録しておくことは、税務上において重要なことになります。

 

また、次のことからも贈与契約書の作成は重要です

① 預貯金の移動が確認できたとしても、もし仮に贈与契約書が作成されていなければ、資金の「貸し付け」と認定される可能性があります。

② 税務上に限らず、ほかの相続人との間で、将来相続問題が発生した場合、よけいな問題の発生を回避することができます。

 

ただし、贈与契約書の作成だけではダメです

たとえ、贈与契約書が作成されていたとしても、その贈与契約の内容が実際に実行されていることが大切です。実際に贈与が実行されていませんと、贈与に疑いが生じます。

当然ですが、財産の受け渡し(払い込みや証書の書き替え)などの行為が実際になされることが重要です。

 

次回は、さらに留意事項をくわしく検討していきます。

親族間の贈与は、特別に注意しなければならない点があります。

 

 

Every day is a new day!

みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

贈与税で誤りやすい事例

・①「自宅の贈与を受け、その後離婚。特例の適用は受けられますか?」はこちら(2/25)

・②「父親の土地に子供の私が自宅を建てて住もうと思っています。」はこちら(3/4)

・③「父親の借地に、子供の私が自宅を建てました。何か問題は?」はこちら(3/11)

・④「父親が借地している土地の底地を、息子の私が買い取りました」はこちら(3/18)

・⑤「無償返還予定の土地の贈与を受けました。宅地の評価は?」はこちら(3/25)

・⑥「毎年こどもに110万円の贈与をしています。注意することは?」はこちら(4/1)

 

「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例を紹介しています。

贈与を受けたが、家が完成しないケース

・「贈与は受けたが、家が完成しない。(その1)非課税の適用が受けられますか?」はこちら(10/29)

・「贈与は受けたが、家が完成しない。(その2)非課税の適用は受けられますか?」はこちら(1/14)

・「贈与は受けたが、家が完成しない。(その3)非課税の適用は受けられますか?」はこちら(1/28)

 

「住宅取得等資金の贈与の非課税」で迷ってしまうケース

・「贈与は受けたが、住宅に住めない!非課税の適用は受けられますか?」はこちら(10/22)

・「贈与は受けたが、マンションは建築中。適用は受けられますか?」こちら(11/5)

・「住宅ローン控除との併用できますか?」はこちら(11/12)

・「土地取得に贈与資金を全額使いました。適用は受けられます?」はこちら(12/10)

・「非課税限度額700万円が平成31年4月から大きくなります」はこちら(12/17)

・「住宅取得等資金の贈与の非課税と相続時精算課税と、両方を選択できます」はこちら(12/31)

・「中古住宅の取得とその住宅を省エネ住宅にするために親から資金贈与を受けました。どちらの贈与も非課税にしたい!」はこちら(1/7)

・「住宅取得等資金の贈与の非課税には、床面積基準があります。取得した家の床面積は大丈夫ですか?」はこちら(2/11)

・「住宅取得等資金の贈与の非課税はマンションの引き渡しを受けていないと適用できません」はこちら(2/18)

 

親名義の住宅にこども負担で増築等リフォームした場合。

 ・「親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合」はこちら(11/26)

・「親名義の住宅に子の資金で増築等リフォームした場合、父親の譲渡所得は?」はこちら(12/3)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税についてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税で間違いやすい事例」

 

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