井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.09.20.Thu | 税金(法人)

知っておきたい法人節税策の基礎知識④【創業者向け】~役員に給与を支払えば、効果的な節税が可能です。

 

木曜日は、創業者・経営者対象に法人の節税策をわかりやすく紹介しています。

 

役員報酬が「定期同額給与」の場合、費用になります。節税として効果があります。

役員に給与を支払う場合、会社は支払った給与を役員報酬として経費にすることができます。

 

しかし、税法では役員報酬には多くの「シバリ」があります。注意をお願いします

 

経費となる定期同額給与とは、毎月一定の時期に同額が支払われる給与のことです

役員に役員報酬と支払う場合、毎月決まった同額(定期同額給与)しか経費にできません。(上乗せして支払う事は問題がありませんが、上乗せした金額は経費にはなりません。)

 

言い換えますと、たとえば、決算前に利益が出そうだといって、突然役員報酬を増やしても、増やした部分は毎月同額ではないため経費にはなりません。

 

逆に、資金繰りが大変だから期の途中で役員報酬を減額した場合も、毎月同額というルールから逸脱します。減額した部分は経費になりません。

 

つまり、役員報酬は毎月同じ金額しか経費にできません。また、役員への賞与は原則として経費になりません。

 

役員報酬は変更(増額・減額)できます

 

役員報酬の改定は、決算日の翌日から3か月以内に変更することができます。

中小企業であれば、通常は、決算月から2か月以内に定時株主総会を開催して、そこで役員報酬の増額または減額を決議します。

一度、決めますと1年間が変更できませんので、その事業年度の見込となる利益を慎重に見積り決めることになります。定時株主総会議事録の作成は必須です。

 

役員報酬は法人の経費になりますが、給与所得に所得税等がかかります

 

役員報酬は法人の経費になりますが、それを受け取った個人に対しては、給与所得として所得税や住民税がかかってきます。

つまり

・役員報酬を上げれば、役員個人の所得税が増え、会社が払う法人税は減ります。

・役員報酬を下げれば、役員個人の所得税は減り、会社が払う法人税は増えます。

 

法人の実効税率は約30%、所得税・住民税の税率は15%~55%です

 

法人と個人で、税金の計算の仕方から税率までかなり違います。

次のようなことを慎重に検討して、役員個人が支払う所得税等と会社が支払う法人税の合計金額が少なくなるように役員報酬の額を決めます。

■その期のできるだけ正確な利益を予測

■法人の業況や借入金の返済計画

■役員報酬に関する社会保険料の負担

■役員個人の給与所得やその他の所得を踏まえた税負担の金額

会社経営に従事している家族がいれば、所得分散を検討します

 

創業期の経営者様に、役員報酬をいくらが妥当なの?と聞かれるケースがありますが、生活費相当額を目安にとお答えしています。

Every day is a new day!

秋の1日を元気にお過ごしくださいね。

 

木曜日は

知っておきたい法人節税策の基礎知識【創業者向け】」を載せています。

 

会社名義で社宅を借りる

青色申告になる手間やデメリットはありません

出張旅費規程を作成し、日当を定めて経費にする

 

同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説

・木曜日は法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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