海外の旅行社に販売する国内パック旅行について ~ インボイス制度 消費税[735]

消費税の記事を掲載します。
訪日旅行ツアーを主催する海外の旅行会社に対して販売する国内パック旅行について
たとえば
Q:
1 A社は、旅行業法に基づく旅行業等を目的とする日本法人です。
2 海外の旅行会社が主催する訪日旅行ツアーについて、訪日旅行客の国内における飲食場所、宿泊先、交通手段などを確保し、これらを組み合わせて提供する取引を行っています。
3 A社は、訪日旅行ツアーのうち、国内の旅程部分の日程、訪日旅行客が受けることができる飲食、宿泊、運送などの役務の内容、海外の旅行会社が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を作成し、自己の計算において、レストラン・ホテル・交通機関などの各種サービス提供機関との間で、訪日旅行客に提供するために必要と見込まれる役務の提供に係る契約を締結しています。
4 A社は、海外旅行会社から、行事終了後に、A社が企画し手配したとおりに、各種サービス提供機関により訪日旅行客に対して飲食、宿泊、運送等の役務が提供されたことの対価を受けています。
5 このような訪日旅行ツアーを主催する海外の旅行会社に対して日本国内の旅程部分に係る役務を提供する取引は、輸出免税の対象となるのでしょうか?
A:
輸出免税の対象とはならず、消費税の課税の対象となります。
1 取引は、日本の旅行会社が、海外の旅行会社に対し、「国内における飲食、宿泊、運送等の旅行素材の組合せを企画し各種サービス提供機関を手配することによりこれを海外の旅行会社が確実に利用できるようにする」という役務を提供するものです。
2 この「国内における飲食、宿泊、運送等の旅行素材の組合せを企画し各種サービス提供機関を手配することによりこれを海外の旅行会社が確実に利用できるようにする」という役務は、国内に所在する資産に係る運送又は保管及び国内における飲食又は宿泊に類するものであり、かつ、海外の旅行会社がこの役務の提供により直接享受する便益は、国内においてでなければ享受することができないものです。
つまり、国内において行う役務の提供に該当し、国内取引になります。
4 この役務の提供は、消費税法施行令第17条第2項第7号イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するものとして、同号ハに該当することとなります。したがって、取引は輸出免税の対象とはならず、消費税の課税の対象となります。
<参考>
消費税法施行令 第17条
(輸出取引等の範囲)
「七 法第7条第1項第3号、前項第3号及び第1号から第5号までに掲げるもののほか、非居住者に対して行われる役務の提供で次に掲げるもの以外のもの
イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管
ロ 国内における飲食又は宿泊
ハ イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの」
(出所:国税庁 質疑応答事例 消費税)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋分の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
クライアントに提案したいのは節税ではなく、より良い人生です。
[編集後記]
トップ画像は近くの大学が雑草対策のため飼っているヤギです。
たまに見かけます。


ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
土・日・祝日は、ブログをお休みしております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。