井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.09.05.Wed | 事業承継

承継会社の要件は「資産管理会社に該当しないこと」~「新事業承継税制」特例のポイント解説㉒

 

水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。

 

(出所:国税庁リーフレット)

 

「新事業承継税制」の適用を受けるには、承継会社に適用要件があります

「資産管理会社に該当しないこと」が要件になります。

ここで資産管理会社とは、①資産保有型会社、または②資産運用型会社のことをいいます。

今回は①の「資産保有型会社」に該当するかどうかの判定ルールをご紹介します。

 

資産管理会社の判定は、認定申請書の別紙1で行うことができます

認定申請書(様式7の3など)の別紙1「認定中小企業者の特定資産等について」で判定を行います。

 

資産保有型会社とは次の条件に該当する会社です

特定資産の合計額が総資産の70%以上の会社です(簿価で計算します)。

A / B ≧ 70%

 

A = 特定資産の帳簿価額 + 同族配当等

B =  総資産の帳簿価額 + 同族配当等

 

※ 同族配当等は、判定日以前5年以内に後継者グループに対して支払われた配当および過大役員給与の金額のことです。

 

特定資産とは次の資産です

 

(出所:一般社団法人FIC 事業承継税制)

 

上の表で注意すべきは有価証券です。

資産保有型会社・資産運用型会社である特別関係会社の株式は、特定資産に該当します。

 

では特別関係会社とは

ざっくりとは、認定会社ならびにその代表者および代表者の親族などが、その総株主議決権数の過半数を保有される会社のことです(会社法上の子会社とは相違します)。

たとえば、認定会社が支配する子会社や配偶者が経営する会社、配偶者の兄弟が経営する会社などが入ってきます。

 

こうした特別関係会社が、資産保有型会社・資産運用型会社に該当すれば、その株式等を特定資産にカウントします。

 

承継会社の適用要件である「資産管理会社に該当しないこと」とは、雇用を伴うことがないホールディングカンパニーなどの資産管理会社は、制度対象外にするという趣旨です。

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気にお過ごしくださいね。

 

【編集後記】

昨日、台風21号が真上を通過しました。かつて経験したことがない台風です。大きなトタンや瓦など、いろんなものが飛んできました。猛烈な風と雨を体験。

夕方、近くに住む先輩の家屋の土塀が崩壊しました。道路をふさいだ土塀の土や木材や瓦を数人で片付けました。

みなさんは大丈夫でしたか?

 

 

水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/shokei/

 

「新事業承継税制」特例のポイント解説

① 平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます

② そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?

 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較

④ 納税猶予を受けるための手続(その1)~贈与税の申告まで

⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後

⑥ 納税猶予を受けるための手続(その1)~相続税の申告まで

⑦ 納税猶予を受けるための手続(その2)~相続税申告の後

⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します

⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか

 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」

⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に、先代経営者に相続が発生した時の取扱い

⑫ 【具体例】贈与者(先代経営者)に相続が発生した場合

⑬ 納税猶予が全額であっても株価対策は必要です

⑭ 後継者が第三者(親族外)の場合に注意したいこと

⑮ 先代経営者等の適用要件のポイント

⑯ 贈与にあたっては一定数以上の対象株式が必要です

⑰ 代表権がない先代経営者の配偶者が適用を受けられないケース

⑱ 先代経営者が持株会社の代表権を有したことがなかったケース

⑲ 後継者の適用要件について

⑳ 後継者の要件で気をつけたい2つのポイント

㉑ 承継会社の適用要件をざっくりと

 

事業承継・税理士の視点

① 相続と事業承継の相違はそもそも何か? 

② 事業承継に公的支援がされるのはなぜか?   

③ 「堀金箔粉」~京都老舗の事業承継のルールとは。   

④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A  

 

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

 

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