井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.10.03.Wed | 事業承継

担保の提供が必要です~「新事業承継税制」特例のポイント解説㉖

 

水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。

 

 

新事業承継税制の適用を受けるには、先代経営者、後継者、承継会社に認定要件がありました。

▶ 先代経営者等の適用要件のポイント

▶ 後継者の適用要件について

▶ 承継会社の適用要件をざっくりと

 

さらに事業承継税制の適用を受けるには、

「申告期限までに納税猶予額相当の担保を提供」する必要があります

 

担保として提供できる財産は

 

■納税猶予の対象となる認定承継会社の特例非上場株式等です。ただし、特例非上場株式等の全部を担保提供する場合に限ります(この場合には、非上場株式に譲渡制限が付されているものであっても、担保として提供できる財産として取り扱います)。

または

■不動産、国債・地方債、税務署長が確実と認める有価証券、税務署長が確実と認める保証人の保証など

 

担保の価額は決まっています

 

■担保提供する財産の価額は、納税猶予の税額及び猶予期間中の利子税額の合計額に見合うことが必要です。

■しかし、特例非上場株式等の全部を担保として提供した場合には、非上場株式等についての納税猶予の適用については必要担保額に見合う担保提供があったものとみなします

 

担保提供の手続き~次の担保提供に関する関係書類を提出します。

 

①担保提供書

②担保目録

③速やかに担保関係書類の提出を行う旨の確約書

 

特例非上場株式等の全部を担保提供する場合の必要となる書類(株券不発行会社)

 

次の①と②の書類を税務署に提出します。その後、③の書類を提出します。

①認定承継会社の非上場株式に税務署長が質権を設定することについて承諾した旨を記載した書類

②納税者の印鑑証明書

③質権設定後に、認定承継会社の株主名簿記載事項証明書および代表取締役の印鑑証明書

 

担保提供後、担保提供している株式の価額が下落した場合を考える必要があります

 

全部を担保として提供した場合には、納税猶予の適用については必要担保額に見合う担保提供があったものとみなします(みなす充足)。

このため、担保として提供している株式の価額が下落しても、原則として追加で担保提供を求められることはありません。

 

納税猶予が取り消される場合を考える必要があります

 

担保提供した株式等が処分され、未納の相続税額に充ててもなお不足があるときは、納税者の他の財産に対して滞納処分が行われることになります。

 

担保の提供も重要な適用要件です。

次の図の真ん中やや左の部分のところに、要件のひとつとしてあがっています。(図は相続の場合)

 

(出所:国税庁「事業承継税制のあらまし」)

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気にお過ごしくださいね。

 

水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/shokei/

 

「新事業承継税制」特例のポイント解説

① 平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます

② そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?

 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較

④ 納税猶予を受けるための手続(その1)~贈与税の申告まで

⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後

⑥ 納税猶予を受けるための手続(その1)~相続税の申告まで

⑦ 納税猶予を受けるための手続(その2)~相続税申告の後

⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します

⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか

 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」

⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に先代経営者に相続が発生した時の取扱い

⑫ 【具体例】贈与者(先代経営者)に相続が発生した場合

⑬ 納税猶予が全額であっても株価対策は必要です

⑭ 後継者が第三者(親族外)の場合に注意したいこと

⑮ 先代経営者等の適用要件のポイント

⑯ 贈与にあたっては一定数以上の対象株式が必要です

⑰ 代表権がない先代経営者の配偶者が適用を受けられないケース

⑱ 先代経営者が持株会社の代表権を有したことがなかったケース

⑲ 後継者の適用要件について

⑳ 後継者の要件で気をつけたい2つのポイント

㉑ 承継会社の適用要件をざっくりと

 ㉒ 承継会社の要件は資産管理会社に該当しないこと

㉓ 承継会社の要件は資産運用型会社に該当しないこと

 持株会社でも納税猶予の対象会社になります

㉕ 子会社が上場企業や風俗営業会社等の場合は適用を受けられません

 

事業承継・税理士の視点

① 相続と事業承継の相違はそもそも何か? 

② 事業承継に公的支援がされるのはなぜか?   

③ 「堀金箔粉」~京都老舗の事業承継のルールとは。   

④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A  

 

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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