井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2023.01.18.Wed | 消費税

課税期間をまたぐインボイスの売上税額の計算【売手側の場合】 ~ インボイス制度 消費税[305]



消費税の記事を掲載します。





今回は





たとえば、3月決算法人が20日締めで請求書を発行している場合。4月分の請求書は3/21~4/20となります。積上げ計算は可能ですか?





を紹介します。





たとえば





Q:





1 当社は、3月決算の法人です。売上げの請求書は毎月20 日締めとしています。

2  3月21 日から4月20 日までの期間に係るインボイスには、その期間の消費税額を記載しています。

3 これを基に売上税額について、積上げ計算することができますか?



A:



積上げ計算とは



売上税額の計算については、交付したインボイスの写しを保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額の合計額に78/100を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)。



対応は次の3つの方法から選択します



① 割戻し計算と積上げ計算の併用



質問のようなインボイスを交付した場合、翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額も合計して記載されていることになるため、これを基に売上税額の積上げ計算をすることはできません。

なお、売上税額の計算は、割戻し計算と積上げ計算を併用することが認められています。

したがって、3月21日から3月31日まで(期末を含む請求書の期間)及び4月1日から4月20日まで(期首を含む請求書の期間))の取引については割戻し計算とし、それ以外の期間(4月21日から翌年3月20日)の取引については積上げ計算とすることが可能です。



② 3/21~3/31の消費税額と4/1~4/20の消費税額をインボイスに記載する方法 




課税期間をまたぐ期間(3月21日から3月31日及び4月1日から4月20日)に係る取引をまとめて一のインボイスとする場合、そのインボイスにおいて、課税期間の範囲に応じてインボイスの記載事項をそれぞれ区分して記載していれば、その課税期間で区分した税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税込対価(税抜対価)の額から算出した消費税額等をそのインボイの消費税額としても問題ありません。





③ 法人税基本通達2-6-1により決算締切日を継続して3月20日としている場合



消費税の資産の譲渡等の時期についても、同様とすることが認められています(基通9-6-2)。このように決算締切日により、法人税およびび消費税の申告をしている場合には、売上税額の積上げ計算のための課税期間ごとの区分の対応は不要です。



【参考】

法人税基本通達2-6-1(決算締切日)

「法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。」







(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年11月改訂 問107)






「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

冬の1日、元気にお過ごしくださいね!







[編集後記]

トップ画像は、公園で出会ったボーダーコーリーのベルくんです。

ボーダーコーリーで、白黒のブチというワンちゃんは初めてです。







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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。

また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。

本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。







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