今回から介護報酬改定に係る「通所介護」の主な論点をご紹介します。

次のとおりです。(出所:平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会)

 

「通所介護」の見直しの主な論点

① 生活機能向上連携加算の見直し

② 心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設

③ 機能訓練指導員の確保の促進

④ 栄養改善の取組の推進

⑤ 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し

⑥ 規模ごとの基本報酬の見直し

⑦ 設備に係る共用の明確化

⑧ 共生型通所介護

⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し

 

今回は

「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」

です。

 

分科会では次のような意見がありました。

(平成29年11月8日 第150回介護給付費分科会)

 

(機能訓練の強化等について)

□ 自立支援のために通所介護においても機能訓練の強化が必要です。機能訓練指導員はPT・OT・STのリハ専門職とそれ以外に分ける必要がありますが、単に分けるだけではなくて、リハ専門職が医師と連携して機能訓練を行った場合に評価をすることが考えられます。その上でレスパイトのみの通所介護の評価を押さえて、通所介護としての自立支援に向けた取り組みを評価することが必要ではないでしょうか。

□ 通所介護でリハビリ専門職を配置してしっかりとサービスを提供しているところを排除するということではなくて、例えば機能訓練の体制あるいは重度化対応をしているところには加算という形で評価をして、少し事業所を振り分けていくという方向のほうがいいのではないでしょうか。

□ 通所介護の役割としては、やはりレスパイト、お預かりという要素も重要ですが、介護保険のサービスである以上は、生活機能の改善あるいは維持という目的のもとでサービスが提供されるべきなので、そこのサービス計画や実施状況については、報酬上である程度のメリハリをつけていくという方向も大事なのではないでしょうか。

□ 質の高い機能訓練を行っているようなところを、加算などの形で報酬上評価すべきです。

□ 医師との連携も含めて、要するにアウトカム、維持改善ができているのかということが非常に大事です。リハビリ専門職がいるということだけで評価をすべきではない。きちんとデイケア並みに維持改善というアウトカムができていれば、通所介護でも評価すべきです。

 

②(外部の通所リハ事業所等のリハビリ専門職との連携による機能訓練の普及)

□ 機能訓練指導員を外付けでも可能にするとか、規模の小さい事業所でも専門職が関与しやすい仕組みをつくることが必要ではないでしょうか。

□ ただ単に専門職を置いたかどうかではなくて、例えば機能訓練加算に上乗せ加算とし て、法人内の経営する他の介護サービス事業者や、病院等に従事するOT・PT・STなどが通所介護事業所の機能訓練指導員に対して直接訓練の指導をする体制を整えた場合の評価というような加算も考えていいのではないでしょうか。

□ 通所介護と訪問介護等を利用している方は、リハビリ専門職のいるようなところ、例 えば訪問リハとか老健施設のショートや通所リハで半年に1回など、定期的に評価を義務づけて、もし悪化する場合には、すぐにその悪化を食いとめるようなサービスに移行するというようなインセンティブをぜひ考えるべきです。

 

これらの意見に対して、現状と対応案が次のとおり示されていました。

(現状)

①(個別機能訓練加算取得が困難な状況)

現行の個別機能訓練加算は機能訓練指導員を専従で置く必要があり、特に小規模事業所では、新たな職員を雇用することが困難なために加算を取得できないとの声がある。

このような事業所においても質の高い個別機能訓練を行えるようにするための評価を創設してはどうか?

②(通所介護の個別機能訓練加算の届出状況)

個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)いずれも、小規模事業所ほど加算の届出割合が低い。加算の届出をしていない理由としては、個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)いずれも「機能訓練指導員を配置することが難しい」ことが7割弱である。

③(通所介護における他事業所等のリハビリ専門職との連携状況)

通所介護事業所における他事業所等のリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)との連携状況は、「連携している」が27.6%。 連携の効果も一定程度認められる。

 

(対応案)

下図の赤文字の部分で新たに対応する。

 

 

これらの課題を踏まえて平成30年度に「生活機能向上連携加算」の創設が行われます。

平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会

「自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、生活機能向上連携加算を創設し、通所介護事業所の職員と外部のリハビリテーション専門職が連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価する」

 

具体的な評価基準は

①(外部のリハビリ専門職と共同でアセスメント)

訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200 床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師が、通所介護事業所を訪問し、通所介護事業所の職員と協働で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。

②(個別機能訓練計画の見直し)

リハビリテーション専門職と連携して個別機能訓練計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。

 

通所介護だけではなく、訪問介護等においても、次のとおりリハビリ専門職等と連携して作成した計画に基づく介護サービスを評価する「生活機能向上連携加算」が見直し、創設されています。

 

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火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。

平成30年度介護報酬改定の動向

訪問介護の改定見直しの主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)

・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)

・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)

・論点⑧「共生型訪問介護とは何か?」はこちら(3/6)

・論点⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(3/8)

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

 

 

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

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