介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。

特定施設入居者生活介護の1回目です。

 

家賃や管理を抑えた、介護保険などからの収益に依存した高齢者住宅のモデルが今回の改定により、厳しさを向かえています。

今回の改定に伴う「①区分支給限度額基準額の計算方法の変更」、「②集合住宅減算の強化」が原因です。

その対策としては、コストコントロールと中重度者対応だと思いますが、そうした中で、住宅セーフティネット制度が改正されています。

今後、新たな高齢者住宅のモデルを検討するにあたって、重要となる改正です

 

改正前の住宅セーフティネット法

平成19年に議員立法により制定され、国による基本方針の策定、国や地方公共団体の責務、居住支援協議会の組織等について定められています。

 

新しい住宅セーフティネット法は

正確には「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」で、平成29年10月25日に施行されています

 

今回、次の課題に対応するため大きく改正されました

①高齢者等の住宅確保要配慮者は今後も増加する見込みです。しかし、民間賃貸住宅の大家の中には、住宅確保要配慮者の入居に拒否感を持つ人がいます。

②地方公共団体では、今後の人口動向等を踏まえて、公営住宅の建替え等が行われており、今後の公営住宅の大幅な増加は見込めません。

一方で、民間の空き家・空き室は増加しており、中には活用可能なものが多く存在します。

③賃貸住宅の入居者の家賃債務保証については、家賃債務保証会社による保証が増加しています。今後もその増加が見込まれます。住宅確保要配慮者は、家賃債務保証会社から保証を断られるケースがあります。

 

制度の全体像は次のとおり

 

(出所:国土交通省住宅局平成29年7月「新たな住宅セーフティネット制度」)

 

注目したいのは登録住宅の改修や入居者への経済的支援です

■国と地方公共団体による改修費への補助

・改修費補助は、国による直接補助と、自治体が補助をするときに国も支援する補助の2種類があり、どちらかの補助を受けることができます。

・改修費の補助を受けた場合、入居者や家賃について一定の要件がかかります

補助限度額などは次のとおりです。

 

 

■住宅金融支援機構による改修費への融資等

全体の工事費用の8割を上限として、返済期間20 年以内、全期間固定金利による独立行政法人住宅金融支援機構による融資があります。

 

■国と地方公共団体による家賃・家賃債務保証料の低廉化への補助

・低額所得者が入居する場合、その負担を軽くするために家賃を下げたときには、その家賃減額分に対して、1戸あたり毎月最大4万円の補助を受けられます

・1戸あたりの補助期間は、原則、最長10 年間ですが、補助金の総額が10 年間の限度額(480 万円)を超えない範囲であれば、自治体の判断により、最長20 年間とすることが可能です

・低額所得者が入居する場合、その負担を軽くするために国土交通省に登録している家賃債務保証業者等が初回の保証料を下げたときには、その減額分に対して、最大6万円の補助が受けられます。

 

この制度は、民間の既存住宅を活用して住宅セーフティネットにしていくという方法です。事業における「社会性」は十分あります。

課題は、この制度を活用して、これから「事業性」を具体的にどう構築していくか?です。

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

夏の1日を元気にお過ごしください。

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

https://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度「通所介護」の介護報酬改定は次のとおり。

① ADL(日常生活動作)維持等加算の算定ポイント

 基本報酬のサービス提供時間区分の1時間ごとの見直し

③ 生活機能向上連携加算の創設のポイントと影響

 栄養スクリーニング加算創設のポイント

⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能

 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています

 通所介護の共生型サービス提供の考え方

⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合

 

「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり

① 認知症対応型共同生活介護と医療連携体制加算の区分新設

② 退院後の再入居受け入れの評価の新設

③ 緊急ショートステイの見直し

④ 口腔衛生管理体制加算の創設

⑤ 栄養スクリーニング加算の創設

⑥ 生活機能向上連携加算のポイント

⑦ 介護職員処遇改善加算の見直しポイント

 

「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

④ かかりけ医連携薬剤調整加算の新設

⑤ 所定疾患施設療養費Ⅱの新設

 

「訪問看護」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

「居宅介護支援」重要事項は次のとおり

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ ターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制」の特例のポイント解説

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」