井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.03.27.Tue | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~通所介護の論点④「栄養改善の取組の推進とは何か?」

介護報酬改定に係る「通所介護」の主な論点をご紹介します。

次のとおりです。(出所:平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会)

 

「通所介護」の見直しの主な論点

① 生活機能向上連携加算の見直し

② 心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設

③ 機能訓練指導員の確保の促進

 栄養改善の取組の推進

⑤ 基本報酬のサービス提供時間区分の見直し

⑥ 規模ごとの基本報酬の見直し

⑦ 設備に係る共用の明確化

⑧ 共生型通所介護

⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し

 

今回は

「栄養改善の取組の推進とは何か?」

です。

 

分科会では栄養改善の取組の議論の中で、通所サービス等の栄養管理について次の意見がありました。

(平成29年11月29日 第153回介護給付費分科会)

□ 在宅サービス利用者に対して継続的に栄養管理を行うことが重要です。

□ 要介護状態になる以前から栄養改善の普及啓発を行う必要があります。

□ 通所サービス利用者の栄養管理は重要と思うが、簡易的な栄養評価票を用いて状態を把握し、必要に応じてかかりつけ医に相談すると良いのではないでしょうか。

□ 低栄養に対する具体的な対策を立てるためには、その原因を知ることが重要です。

□ 潜在的な管理栄養士が活躍できる仕組みを作る必要があります。

 

これらの論点と対応案が次のとおり示されていました。

①(栄養改善加算について)

(論点)

現行の栄養改善加算については、管理栄養士を雇用する必要があるが、雇用することが困難な事業所においても、質の高い栄養管理を行えるようにしてはどうか?

 

(対応案)

質の高い栄養管理を推進するため、外部の管理栄養士と連携して、栄養ケア計画を作成し、定期的な評価を行うことについて、評価を行ってはどうか。

参考1 栄養改善加算の概要

<算定要件>

・ 管理栄養士を1名以上配置すること。

・ 利用者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成し、それに従い管理栄養士等が栄養改善サービスを行い、その状態を定期的に記録していること。

・ 利用者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価すること。

<単位数> 150単位/回

 

参考2 栄養改善加算の取得率

・ 通所介護: 0.01%

・ 通所リハビリテーション:0.04%

・ 認知症対応型通所介護:0.01%

・ 地域密着型通所介護:0.00%

・ 介護予防通所リハビリテーション: 0.00%

・ 介護予防認知症対応型通所介護: 0.00%

 

②(栄養状態に係るスクリーニングの推進について)

(論点)

□ 通所介護において、低栄養の者が一定程度存在するにもかかわらず、そのことが十分認識されていないことから、介護職員等でも実施可能な栄養スクリーニングについて評価してはどうか?

□ また、認知症対応型共同生活介護においても、通所介護と同様に、低栄養の者が一定程度存在することから、居住系サービスも対象としてはどうか?

 

(対応案)

□ 定期的に栄養スクリーニングを行い、かかりつけ医等につなぐために、当該利用者の栄養状態に係る情報を介護支援専門員に文書で共有した場合に評価してはどうか。

※ 介護職員等でも可能なスクリーニングを想定。

(BMI 18.5未満、6か月に3%以上の体重減少、食事摂取量75%以下等に該当するかを確認)

 

これらの課題に対して、平成30年度には次の見直しと加算創設が行われます。

平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会

①(栄養改善加算の見直し)

栄養改善加算について、管理栄養士1名以上の配置が要件とされている現行の取扱いを改め、外部の管理栄養士の実施でも算定を認めることとします。

②(栄養スクリーニングに関する加算の創設)

管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な栄養スクリーニングを行い、介護支援専門員に栄養状態に係る情報を文書で共有した場合の評価を創設します。

(下図のとおり)

 

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みなさん、今日も春の1日を元気にお過ごしください。

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。

平成30年度介護報酬改定の動向

 

通所介護の改定見直しの主な論点

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(3/13)

・論点②「心身機能の維持に係るアウトカム評価の創設とは何か?」はこちら(3/15)

・論点③「機能訓練指導員の確保の促進とは何か?」はこちら(3/20)

訪問介護の改定見直しの主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)

・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)

・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)

・論点⑧「共生型訪問介護とは何か?」はこちら(3/6)

・論点⑨「介護職員処遇改善加算の見直しとは何か?」はこちら(3/8)

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

 

 

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

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・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

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