吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期事業活動計算書の比較 ～ 社会福祉協議会[15]

福祉医療機構の「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」に、吹田市にある社会福祉法人（40法人）の2021年度現況報告書がアップされています

このうち7月から吹田市社会福祉協議会をとりあげて、その内容を見ています。

今回は

吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会（本部社会福祉事業のみ）の21年3月期事業活動計算書の比較

を紹介します。

吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期法人単位事業活動計算書を比較してみます。

ただし、豊中市社会福祉協議会では、地域包括支援センター事業、訪問介護事業や障害者総合支援事業を行っています。

一方、吹田市社会福祉協議会では介護事業などは行っていません。

したがって、豊中市社会福祉協議会の法人単位事業活動計算書からは介護事業などを除いた「本部社会福祉事業のみ」の会計数字をもってきて、その比較を行います。

そうすると、次のような法人単位事業活動計算書の比較になります

数字のポイントは３つです。

① サービス活動増減差額は次のとおりです（緑枠部分の数字）

吹田市社会福祉協議会　▲28,881,941円　

豊中市社会福祉協議会　　 6,032,602円

サービス活動増減差額は、サービス活動における採算性をあらわしています。

サービス活動増減差額とは、サービスを提供して得たお金「サービス活動収益」から人件費などサービス提供にかかった費用を「サービス活動費用」を差し引いた差額です。

サービス活動増減差額がプラスのとき

→　収益が費用を上回っており、採算がとれていいます。

サービス活動増減差額がマイナスのとき

→　費用が収益を上回っており、採算がとれていません。

② 当期活動増減差額は次のとおりです（黄色枠部分の数字）

吹田市社会福祉協議会　▲6,791,938円

豊中市社会福祉協議会　　8,442,869円

当期活動増減差額とは、その期間の収益から費用を差し引いた差額のことです。事業活動による成果をあらわしています。

マイナスの当期活動増減差額とは、費用＞収益のため、純資産が減少している状態であり、採算が取れていない状況です。

③ 次期繰越活動増減差額は次のとおりです（水色枠部分の数字）

吹田市社会福祉協議会　▲26,424,806円

豊中市社会福祉協議会　 281,711,763円

次期繰越活動増減差額は、これまでの事業活動の成果による純資産の増加額をあらわしています。いわゆる内部留保です。

（出所：社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム）






過去の社会福祉協議会の財務に関するブログ記事は次のとおりです。

１　社会福祉法人吹田市社会福祉協議会に対する吹田市の令和2年度外郭団体活動状況評価について

２　社会福祉法人吹田市社会福祉協議会の2021年度の決算（事業活動計算書）について

３　吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書のサービス活動収益について

４　吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書の「サービス活動外収益」と「特別収益」について

５　吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書の「サービス活動費用」について

６　吹田市社会福祉協議会2021年期末の貸借対照表「純資産の部」について

７　吹田市社会福祉協議会の貸借対照表「純資産の部」の推移について

８　吹田市社会福祉協議会の貸借対照表「資産の部」「負債の部」の推移

９　吹田市社会福祉協議会「事業活動計算書」過去4年間の推移について 

10　吹田市社会福祉協議会の「サービス活動収益」過去4年間の推移について

11  吹田市社会福祉協議会の「サービス活動費用」過去4年間の推移と人件費率

12 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期事業活動計算書

13 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期貸借対照表（純資産の部）

14 21年3月期事業活動計算書「サービス活動収益」の比較　吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会 

「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」

（ピーター Ｆ.ドラッカー）

秋の１日、元気にお過ごしくださいね。

【編集後記】

トップの画像は、今年発売された北海道知床の斜里町限定ビール「しれとこ麦酒」です。
すっきりとした喉越しです。

7月から吹田市社会福祉協議会の決算書をとりあげています。趣旨は、社会福祉法人の会計に私が不慣れなため、その知識の習得のため、社会福祉法人の代表例として全国にある市区町村社会福祉協議会のうち、身近な吹田市の社会福祉祉協議会を選んだことによります。

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「創業者のクラウド会計」

・火曜日は「消費税」

・水曜日は「消費税」

・木曜日は「経理・会計」

・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」

・土曜日は「創業者のクラウド会計」

・日曜日はテーマを決めずに書いています。





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