井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.07.25.Wed | 事業承継

「新事業承継税制」特例のポイント解説⑯~先代経営者等の要件(一定数以上の株式の贈与が必要です)

水曜日は「新事業承継税制」をわかりやすく紹介しています。16回目です。

前回、新事業承継税制を受けるための、先代経営者等の要件を紹介しました。

 

先代経営者等の要件のうちポイントとなるのは次の点です

 

贈与にあたっては、一定数以上の対象株式が必要です~「一括贈与要件」

 

贈与税の納税猶予の適用を受けるためには、後継者の数の区分に応じて、最低限必要とされる贈与株数がきまっています

先代経営者から後継者への納税猶予の対象となる贈与は一度しか認められていません。

たとえば、今年、1,000株、来年800株というような贈与をしても、今年の1,000株で下限数を超える必要があります。来年の800株の贈与は納税猶予の対象となりません。

 

■後継者が1人の場合

発行済議決権株式数×2/3 - 後継者保有株式数 ≦ 先代経営者保有株式数

贈与すべき株式数 … 後継者の贈与後議決割合が2/3以上になる株式

②発行済議決権株式数×2/3 - 後継者保有株式数 > 先代経営者保有株式数

贈与すべき株式数 … すべての株式

 

後継者が2人または3人の場合

贈与後において、次の要件を満たす必要があります。

①贈与後において、各後継者の保有議決権割合10%以上となること

②贈与後において、各後継者の保有議決権数が先代経営者の保有議決権数を上回ること

 

(出所:TKC「戦略経営者 5月号」)

先代経営者以外の贈与の場合

①先代経営者が後継者全員に贈与する場合、すべての後継者に自社株式を同時に贈与する必要があります。先代経営者以外の者が複数後継者に贈与する場合も同じです

 

②先代経営者が一部の後継者に最初の贈与を行い、先代経営者以外の者が他の後継者に追随贈与をする場合でも、各贈与において一括贈与要件や特例受贈者要件を満たすことができれば、すべての後継者が特例制度の適用を受けることができるようです。

(出所:一般社団法人FIC「特例事業承継制度の概要」)

 

ようするに、先代経営者は制度を利用するためには一定数以上の一括贈与をする必要があります。

 

Every day is a new day!

夏の1日を元気にお過ごしください。

 

水曜日は「新事業承継税制」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/shokei/

 

新事業承継税制の特例のポイント解説

① 平成30年1月1日からの贈与・相続について適用されます

② そもそも事業承継税制とはいったい何なのか?

 非上場株式等の贈与税等の納税猶予及び免除~新旧制度の比較

④ 納税猶予を受けるための手続(その1)~贈与税の申告まで

⑤ 非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けるための手続(その2)~贈与税申告の後

⑥ 納税猶予を受けるための手続(その1)~相続税の申告まで

⑦ 納税猶予を受けるための手続(その2)~相続税申告の後

⑧ 新事業承継税制は中小企業の株式を贈与相続により移転する際に活用します

⑨ 新事業承継税制の利用により、いくら相続税が猶予・免税になるのか

 贈与税の納税猶予からはじめた場合の「新事業承継税制の全体像イメージ」

⑪ 贈与税の納税猶予からスタートした場合に、先代経営者に相続が発生した時の取扱い

⑫ 【具体例】贈与者(先代経営者)に相続が発生した場合

⑬ 納税猶予が全額であっても株価対策は必要です

⑭ 後継者が第三者(親族外)の場合に注意したいこと

⑮ 先代経営者等の適用要件のポイント

 

事業承継・税理士の視点

① 相続と事業承継の相違はそもそも何か? 

② 事業承継に公的支援がされるのはなぜか?   

③ 「堀金箔粉」~京都老舗の事業承継のルールとは。   

④ 「誰に事業を承継させるのか?」~親族内承継、従業員承継、M&A  

 

 

「同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。

http://www.y-itax.com/category/houjin/

あてはまる事例を参考にしてくださいね。

 

土地貸借の税務ルール

・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)

・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)

・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)

・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)

・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)

 土地売買の税務ルール

・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)

・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)

・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)

・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)

・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)

・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)

建物貸借の税務ルール

・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)

・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)

・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)

・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)

 金銭貸借の税務ルール

・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)

・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)

・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)

・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)

・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「事業承継・税理士の視点」

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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