井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.02.27.Tue | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~訪問介護の論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」

介護報酬改定に係る「訪問介護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成30年1月26日第158回介護給付費分科会)

 

「訪問介護」の見直しの主な論点

① 生活機能向上連携加算の見直し

② 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化

③ 身体介護と生活援助の報酬の見直し

④ 生活援助中心型の担い手の拡大

⑤ 同一建物等居住者にサービスを提供する場合の報酬の見直し(訪問系サービス共通)

 訪問回数の多い利用者への対応

⑦ サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化

⑧ 共生型訪問介護

⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し

 

今回は

「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」を紹介します。

 

訪問回数の多い利用者への対応について、次のような意見がありました。

平成29年11月22日 第152回介護給付費分科会

現行の報酬体系に構造的な課題があるといいう指摘とともに、適切なケースがあり留意も必要という意見があります。

 

 

そこで次のような対応案が示されていました。

 

(ケアプランを地域ケア会議により検証)

訪問回数の多いケアプランについては、市町村が確認・是正を促していくことが適当であり、ケアマネジャーが一定の回数を超える訪問介護を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとし、届け出られたケアプランについて、市町村が地域ケア会議の開催等により検証を行うこととしてはどうか?

 

(届け出るケアプランの範囲を定める)

訪問介護(生活援助中心型)が通常のケアプランよりかけ離れた利用となっていることや、保険者の事務負担を考慮して、具体的な届出の範囲等を定めてはどうか?

 

これらを踏まえて、平成30年度において「訪問回数の多い利用者への対応について」の改定事項が、次のように示されました。

平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会

 

①(訪問回数の多いケアプランは市町村へ届出)

訪問回数の多いケアプランについては、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくことが適当であり、ケアマネジャーが、統計的に見て通常のケアプランよりかけ離れた回数の訪問介護(生活援助中心型)を位置付ける場合には、市町村にケアプランを届け出ることとする。

【省令改正】

※ 「全国平均利用回数+2標準偏差」を基準として平成30年4月に国が定め、6ヶ月の周知期間を設けて10月から施行する。

 

②(ケアプランを地域ケア会議で検証)

地域ケア会議の機能として、届け出られたケアプランの検証を位置付け、市町村は地域ケア会議の開催等により、届け出られたケアプランの検証を行うこととする。また市町村は、必要に応じ、ケアマネジャーに対し、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、サービス内容の是正を促す。【省令改正】

下図を参照

 

この改定­­は、次のとおり平成30年4月から居宅介護支援事業者の指定権限が、都道府県から市町村に移譲されることと軌を一にしています。

 

 

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火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度介護報酬改定の動向

訪問介護の改定見直しの主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

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