介護報酬改定に係る「訪問介護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成30年1月26日第158回介護給付費分科会)

 

「訪問介護」の見直しの主な論点

① 生活機能向上連携加算の見直し

② 「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化

③ 身体介護と生活援助の報酬の見直し

④ 生活援助中心型の担い手の拡大

⑤ 同一建物等居住者にサービスを提供する場合の報酬の見直し(訪問系サービス共通)

⑥ 訪問回数の多い利用者への対応

⑦ サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化

 共生型訪問介護

⑨ 介護職員処遇改善加算の見直し

 

今回は

「共生型訪問介護とは何か?」

です。

もともと共生型サービスの創設に取り組んできました。今回は共生型サービスの具体的な指定基準のあり方を新たに定めるものです。

 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の改正~介護保険と障害福祉に共生型サービスを創設」はこちら(7/13)

 

 

「共生型サービスの意義」などについて次のような意見がありました。

平成29年11月29日 第153回介護給付費分科会

 

①(共生型サービスの意義について)

□ 共生型サービスは、その地域の資源が十分でない場合のことや、利用できるサービスを持続させていくという観点でも非常に有効だと考えています。

□ 特に地方の過疎地域では一緒にやるべきです。

□ 既にやっている事業所等があるので、そこが混乱しないような設備と基準にしないといけません。せっかく地域に根づいてやっているところが、これで逆にやりづらくなるというのは避けるべきです。

□ これまで実際に地域でいろんな形でサービスを提供していた方々が実際にやっていったときに、ここの面が緩和されれば、もっとこの方にもサービスが提供できたのにとか、ここがもう少し緩くなれば、さらに幅広くサービスができると思っていたところに、まず今回の新しい共生型サービスが適用されるべきです。

□ 共生型サービスの意義等について、住民に周知する作業を片方でやっておかないと、なかなかうまくいかない部分も出てくるので、あわせて国民や住民に対する情報提供もぜひお願いしたいです。

□ 自治体の窓口は介護の部局、障害の部局が2つ存在していて、それぞれが連携していないとちぐはぐなものになってしまいます。事業所側や現場側が混乱しないような役所の仕組みづくりというものも必要ではないでしょうか。

□ 地域とのつながり(介護・障害、子どもの一時預かりなど多世代・制度外の取組み等)の評価を検討してはどうでしょうか。

□ アウトカム評価について、利用者・入居者の暮らしを支えるだけでなく、地域共生社会実現に向けて地域にどのような価値を生み出したかを、社会的インパクト評価の枠組みなども参考に評価することを考えていく必要があるのではないでしょうか。 1

 

②(サービスの質の確保について)

□ 職員はいきなり障害を持っている利用者が来られても困るので、研修をかなりやらないと、できないでしょう。

□ 高齢者と障害者の状態には違いがあり、また、障害者の中でも幾つかの分類があるように、それぞれ特性があり、専門性が求められるので、そこで働く職員に対しては、十分な教育が必要ではないでしょうか。

□ 研修をきちんと受けられるような時間とか、代替要員の確保とか、そういうことも必要ではないでしょうか。

 

③(介護支援専門員と相談支援専門員の連携について)

□ 介護支援専門員と相談支援専門員の連携を運営基準に定める必要があります。福祉の相談支援専門員とケアマネジャーの両方の資格を有する方を育成していくのが一番手っ取り早い。相談支援専門員の研修は、それほどハードルが高くないようなので、そういう形にするのがマンパワーの有効活用という意味からも有効ではないでしょうか。

□ 双方の分野において相互理解を深めていく必要は絶対あるわけで、例えば介護側から見たときに、障害者の生活状況や障害サービスの理解とか、そういったことの相互理解というのは絶対に必要になってきます。例えば、ケアマネジャーの法定研修に相談支援専門員との連携に関する科目を入れるとか、そういったところからの設計が必要ではないでしょうか。

 

これらの意見に対して、共生型ホームヘルプサービス(共生型訪問介護)の「基準」や「報酬」に関する対応案が、次のとおり示されていました。

 

 

また、障害福祉サービスまたは介護サービスを提供する訪問介護員において、資格要件が相違する点があります(下図参照)。

これらの資格要件により、報酬設定をどう取り扱うかも課題でした。

 

これらの課題を踏まえて、平成30年度において「共生型訪問介護」について、次の見直しが行われます。

平成30年1月26日 第158回介護給付費分科会

 

①(共生型訪問介護の基準)

共生型訪問介護については、障害福祉制度における居宅介護、重度訪問介護の指定を受けた事業所であれば、基本的に共生型訪問介護の指定を受けられるものとして、基準を設定する。【省令改正】

 

②(共生型訪問介護の報酬)

報酬は、以下の基本的な考え方を踏まえて設定する。また、訪問介護事業所に係る加算は、各加算の算定要件を満たした場合に算定できることとする。

ⅰ 本来的な介護保険事業所の基準を満たしていないため、本来報酬単価と区分。

ⅱ 障害者が高齢者(65歳)に到達して介護保険に切り替わる際に事業所の報酬が大きく減ることは、65歳問題への対応という制度趣旨に照らして適切ではないことから、概ね障害福祉制度における報酬の水準を担保する。

 

③ (新設の単位数について)

ⅰ 障害福祉制度の居宅介護事業所が、要介護者へのホームヘルプサービスを行う場合

<現 行> なし(基本報酬)

<改定後> 訪問介護と同様(新設)

ただし、障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者等については、65歳に至るまでに、これらの研修修了者に係る障害福祉事業所において障害福祉サービスを利用していた高齢障害者に対してのみ、サービスを提供できる。この場合には、所定単位数に70/100等を乗じた単位数(新設)

 

ⅱ 障害福祉制度の重度訪問介護事業所が、要介護者へのホームヘルプサービスを行う場合

<現 行>  なし(基本報酬)

<改定後>  所定単位数に93/100を乗じた単位数(新設)

ただし、重度訪問介護従業者養成研修修了者等については、65歳に至るまでに、これらの研修修了者に係る障害福祉事業所において障害福祉サービスを利用していた高齢障害者に対してのみ、サービスを提供できる。

 

 

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火・木曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬の改定」を紹介しています。

ブログ記事は

https://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度介護報酬改定の動向

訪問介護の改定見直しの主な論点  

・論点①「生活機能向上連携加算の見直しとは何か?」はこちら(2/6)

・論点②「自立生活支援のための見守り的援助の明確化とは何か?」はこちら(2/8)

・論点③「身体介護と生活援助の報酬の見直しとは何か?」はこちら(2/13)

・論点④「生活援助中心型の担い手の拡大とは何か?」はこちら(2/15)

・論点⑤「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/22)

・論点⑥「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(2/27)

・論点⑦「サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化とは何か」はこちら(3/1)

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

・論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」はこちら(2/1)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

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