資産税の記事を紹介します。

 

 

今回は

 

配偶者居住権などに対する小規模宅地等の特例の適用について

 

を紹介します。

 

 

配偶者居住権とは(ざっくりと)

 

配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として,終身または一定期間,配偶者に建物の使用を認めることを内容とする法定の権利です。

遺産分割や被相続人の遺言により、配偶者に「配偶者居住権」を取得させることができます。

 

 

配偶者居住権に関係する評価区分は4つあります

 

配偶者居住権が設定された家屋と土地の評価区分は次のようなイメージになります。

 

 

 

A~Dはおのおの次のような区分になります

 

A 建物の利用権 → 配偶者居住権の価額(緑色の部分)

B 建物の所有権

C 土地の利用権 → 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額

D 土地の所有権

 

AとCは配偶者の財産、BとDは所有者の財産として評価することになります。

 

CとDは適用要件を充足すれば小規模宅地等の特例の対象となります

 

CとDについて

 

配偶者居住権のうち、CとDは土地にまたは土地の上に存する権利に該当するものとして、適用要件を満たすものであれば小規模宅地等の特例の対象となります。

 

AとBについて

 

AとB部分は建物についての権利になりますので、適用対象になりません。

 

 

CとDの具体的計算例を示すと次のとおりです

 

 

■相続税評価額 土地:5,000万円

 

■建物建築日:2010年12月1日

 

■建物構造:木造

 

■建物所有者:被相続人(夫)

 

■遺産分割日:2021年3月20日

 

■配偶者の年齢:80歳10月(遺産分割日)

 

■建物相続人:長男

 

■敷地面積:300㎡

 

存続年数:12年(第22回生命表に基づく平均余命11.71年)

複利現価率:法定利率3%による12年の複利現価率は0.701

 

 

C土地の利用権( 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額)の価額は次のとおりです

 

5,000万円-5,000万円×0.701=14,950千円

 

 

 D土地の所有権の価額は次のとおりです

 

5,000万円-14,950千円=35,050千円

 

 

小規模宅地等の特例の適用対象面積は次のように算出します

 

 

適用対象面積は、その対象面積にCまたはDの価額が土地の相続税評価額のうちに占める割合を乗じて得た面積になります。

 

C(配偶者居住権に基づく敷地利用権)

 

300㎡×14,950千円/50,000千円=89.7㎡

 

D(土地の所有権)

 

300㎡×35,050千円/50,000千円=210.3㎡

 

89.7㎡+210.3㎡=300㎡<330㎡(居住用の限度面積を満たします)

 

 

<関連記事>

 

・ 配偶者居住権の価額の算式の考え方について

・ 配偶者居住権の目的となっている敷地利用権の価額と土地所有権の価額の評価

 

 

 

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配偶者居住権の記事は次のとおりです。

 

[9] 配偶者居住権の対象となる建物が共有の場合

[10]配偶者居住権の対象となる建物を、その後に配偶者が取得した場合

[11]事業を廃止し、店舗兼住宅を居住用のみとして建物を使用する場合の配偶者居住権の取扱い

[12]相続時における配偶者居住権の評価の特徴となるポイント

[13]「配偶者居住権の価額」配偶者居住権の評価の考え方

[14]配偶者居住権の価額の算式の考え方について

[15]配偶者居住権の目的となっている敷地利用権の価額と土地所有権の価額の評価

[16]築年数の古い建物に配偶者居住権を設定する際に注意したいこと。建物の時価が配偶者居住権の価額になります

[17]相続人である配偶者が若い場合に、配偶者居住権を設定する際に注意したいこと

[18]遺言により配偶者に配偶者居住権を取得させる場合、遺言書には「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載する

[19]相当期間経過して遺産分割協議により配偶者居住権が設定された場合は、相続税評価額が変わります

[20]建物の一部が賃貸されている場合の配偶者居住権の評価方法について

[21]自宅を被相続人と配偶者で共有していた場合の配偶者居住権の評価方法について

 

 

 

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