井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.10.23.Tue | 介護事業

口腔ケアによるQOL改善と栄養状態の管理を評価 ~ 平成30年度介護報酬改定 特定施設入居者生活介護⑨

 

介護報酬改定の重要な改定事項を、カテゴリー別にご紹介しています。

今回は有料老人ホームなどの「特定施設入居者生活介護」(以下「特定施設」)です。

 

「口腔衛生管理体制加算」と「栄養スクリーニング加算」の創設です

30年度改定の特徴です。地域包括ケアシステム推進の取り組みの中で、口腔・栄養関連の加算がサービス種別をまたがるように横断的に拡充されています。

 

 

特定施設を含む居住系サービスにも口腔・栄養関連サービスが創設されています

 

 

「口腔衛生管理体制加算」とは

 

口腔衛生管理体制加算(月:30単位)が特定施設に創設されました。

外部の歯科医師・歯科衛生士と連携し、口腔ケアに対する技術的助言・指導を受けた施設の介護職員が入居者に口腔ケアを実施する体制を評価するものです。

 

創設の趣旨は、次のとおり口腔ケアの重要性から

「この加算は特養などの介護保険施設に導入されていたが、口腔ケアが入居者等の入院防止やQOL改善に資することなどが調査結果などから裏づけられ、今改定で特定施設やGHなどの居住系サービスにも対象が広がった」(出所:日経ヘルスケア4月号)

 

「栄養スクリーニング加算」の創設

 

■趣旨

管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な栄養スクリーニングを行い、計画作成担当者に栄養状態に係る情報を文書で共有した場合を評価します。

 

■単位数

5単位/回

 

■算定要件

①管理栄養士以外の介護職員などでも実施可能な栄養スクリーニングを利用開始時および利用中6か月ごとに行い、介護支援専門員に栄養状態にかかる情報を文書で共有した場合、6か月1回を限度に算定します。

②ただし、利用者が当該事業所以外で栄養スクリーニングを算定している場合は算定できません。

③また、利用者が栄養改善加算に関する栄養改善サービスを受けている間および栄養改善サービスの終了月は算定できません。

 

(出所:厚生労働省介護給付費分科会資料)

 

特定施設だけでなく、通所介護、通所リハビリテーション、認知症対応型共同生活介護などの通所系サービスや居住系サービスにおいて、「栄養状態の管理を評価」するという視点がはいってきたことに、注視する必要があります。

 

秋の1日を朗らかにお過ごしください。

Every day is a new day!

 

 

 

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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

http://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

平成30年度

「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。

① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています

② そもそも特定施設入居者生活介護とは 

③ 吹田市のサービス見込量の推計について

④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算

⑤ 「身体拘束廃止未実施減算」への対応

⑥ 身体拘束廃止未実施減算とは

⑦ 生活機能向上連携加算の創設

 若年性認知症入居者受入加算の創設

 

「通所介護」の重要事項は次のとおり。

① ADL(日常生活動作)維持等加算の算定ポイント

 基本報酬のサービス提供時間区分の1時間ごとの見直し

③ 生活機能向上連携加算の創設のポイントと影響

 栄養スクリーニング加算創設のポイント

⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能

 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています

 通所介護の共生型サービス提供の考え方

⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合

 

「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり

① 認知症対応型共同生活介護と医療連携体制加算の区分新設

② 退院後の再入居受け入れの評価の新設

③ 緊急ショートステイの見直し

④ 口腔衛生管理体制加算の創設

⑤ 栄養スクリーニング加算の創設

⑥ 生活機能向上連携加算のポイント

⑦ 介護職員処遇改善加算の見直しポイント

 

「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

④ かかりけ医連携薬剤調整加算の新設

⑤ 所定疾患施設療養費Ⅱの新設

 

「訪問看護」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

「居宅介護支援」重要事項は次のとおり

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ ターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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