フリーランスなどの方の「給与所得」や「雑所得」は、給付金の対象にならないことを受けて

(たとえば、予備校や音楽教室の講師として働いている方で、本来は請負契約に基づく事業所得で申告すべきところ、給与所得で申告した方や、音楽家や役者などで本来は事業所得で申告すべきところ、雑所得で申告していた方などが、持続化給付金の対象外となっています。)

 

給付金の所管省庁である経済産業省のHPで、梶山経済産業大臣の定例記者会見(5/19)が掲載されています

 

 

Q:記者

 

持続化給付金と関連して、フリーランスで対象から漏れてしまっている一部のそういった事業者に対しての現在の進捗状況はいかがでしょうか。

 

A:梶山経済産業大臣の回答

 

■「フリーランスの方々の中には、前にも申し上げましたとおりに、事業からの収入を雑所得や給与所得の元となる収入に計上をして、結果的に持続化給付金の対象とならない方も現在おられるということで、これについて先週から検討しております。」

 

■「先週末までにということを一度申し上げまして、先週末にはできるだけ早い時期にということにいたしまして、詳細について今設計をしているところであります。」

 

■「こうした方々の事業継続を支えることは、大変重要な課題であり、経済産業省として支援策を講じることといたしているところであります。どのような形で事業の実態を把握ができるかという点を含めて、制度の詳細設計を進めております。」

 

■「(略)早急に成案を得るべく全力を尽くしてまいりたいと思っております。成案を得たら、改めて私から説明をさせていただきます。」

 

■「前にも申し上げましたように、雑所得というのは、所得税法で分類する9分類の、他のもの全部が入るのですね。」

 

■「そういった中で事業性があるもの、事業の継続性がしっかり認められるものをどうやって抽出していくかということも含めて、いろいろな検討を今しているところでありまして、そう時間が掛からずに成案が得られると思っておりますので、もう少しお待ちいただきたいと思います。」

 

また、次のような前回(5/15)の梶山経済産業大臣の発言

「(略)今議論をしているところでして、今週末を目途に新たな支援制度という形になると思いますけれども、(略)。」

を考慮しますと、持続化給付金制度の中での変更ではなく、この問題については新たな制度で対応することになると考えています。

 

今回、なぜ雑所得が問題になったのか?を考えます。

それは所得分類の中での「雑所得」のポジショニングにあります。

「雑所得」を簡単に説明しますと次のようになっています。

 

雑所得とは

 

利子所得から一時所得までの9種類のどれにもあたらない所得のことをいいます。

つまり、所得税法では定義できる所得の類型を9種類あげているものの、課税の対象となる所得はこの9種類に限られるものではありません。

9種類以外の所得であれば「雑所得」という名前をつけると決めています。

 

雑所得は、2種類あります。(今回問題になっているのはBの「その他の雑所得」です)

 

A 公的年金等にかかる雑所得

B その他の雑所得(=A以外の雑所得)

 

このBの「その他の雑所得」とは

 

積極的に定義することはできません。しかし、次のように2種類に区分することができます。

(ア) 営利を目的として継続的に行われた活動の成果

(イ) 趣味の活動などに関連した(営利を目的としない)一時的・偶発的な労務提供などの成果

 

(ア)の所得とは、たとえば、大学からもらう給与で生活している大学の先生が受け取る原稿料や印税は多くの場合、雑所得になります。一方、作家として原稿料や印税で生活を立てている人が受け取る原稿料等は事業所得になります。

(イ)の所得とは、たとえば、趣味としている家庭菜園について書いた文章が雑誌にたまたま採用されて原稿料を得たというような、趣味がたまたまお金になったものです。

 

(出所:「スタンダード所得税法(第2版)佐藤英明」)

 

今回、問題となっているのは雑所得として申告されたうちの「(ア)の営利を目的として継続的に行われた活動の成果」による所得です。

 

雑所得で申告してしまったが、本来なら、事業所得として申告すべき「営利を目的として継続的に行われた活動の成果」による所得を、新制度でどう救済するかということが必要になっているわけです。

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Never waste a good crisis!

春の日の1日を朗らかにお過ごしください。

 

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