火曜日は、介護事業の介護報酬の改定事項をご紹介しています。

現在、消費税10%への引き上げ時における介護保険サービスの取扱いが介護給付費分科会において、議論されています。まだ、結論は出ておりません。

消費税の引き上げに伴う改定に関する論点を紹介していきます。

 

消費税の引き上げは2019年10月1日に税率8%→10%に予定されています

直近では、2014年に税率5%→8%に消費税は引き上げをされています

 

前回、2014年の消費税引き上げ際の介護報酬の改定の考え方は次のとおりです

 

今回の改定を考えるにあたって、大変参考になります。

(平成26年1月に「平成26年度介護報酬改定について」諮問・答申)

 

①介護報酬への上乗せ実施

 

介護サービス施設・事業所の仕入れ等にかかる消費税負担が増大することから、引上げに伴う影響分を補填するため、介護報酬への上乗せを実施。

 

②高額投資対応は行わない

 

「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査」の結果や対応に伴うメリット・デメリットを踏まえ、介護報酬とは別建ての高額投資対応は行わないこととした。

 

③基準費用額は据え置き

 

基準費用額は、食事・居住費の実態を調査した上で、据え置くこととした。

 

④負担限度額は据え置き

 

負担限度額は、入所者の所得状況等を勘案して決定していることを踏まえ、見直しは行わないこととした。

 

⑤区分支給限度額は引き上げ

 

区分支給限度基準額は、要介護度別の支給限度額と平均的な利用率を把握した結果、引上げることとした。

 

そもそもの「②の高額投資対応」の必要性の根拠について

 

社会保険診療では、次の議論があります。

「社会保険診療などについて消費税は非課税とされています。保険者や患者から支払われる医療費には消費税は課税されていませんが、医療機関では薬の仕入れや医療器械の購入、テナントの家賃など消費税を支払っています。国は診療報酬に消費税分を上乗せして医療機関へ支払っているとしていますが、高額な医療器械を積極的に導入する医療機関とそうでない医療機関を比べても入ってくる診療報酬に差はないため公平ではないのではないか?」

(出所:明南経営グループ「医療機関の消費税問題」18/07/24)

 

つまり、社会保険診療報酬の消費税分の上乗せ幅は十分ではなく、仕入れに要した分の消費税の一部が還付されない(いわゆる損税)状態になっているとの指摘です。

そして、高額な医療機械(=高額投資)を購入するほど、消費税が損税となる負担が大きいので対応する必要があるのではないか、という趣旨です。

 

これは介護報酬にも当てはまります

そのため、前回「介護サービス施設・事業所の設備投資に関する調査」を実施しています。主な結果は次のとおりでした。

 

■介護サービス施設・事業所の高額な投資は、建物が太宗を占めており、医療と比べて、総額、件数ともに小さい傾向にある。

■投資総額、収入に対する投資額比率ともに、年度による変動が大きいと考えられる。

 

 

(出所:介護給付費分科会資料)

 

つまり、医療と比べて、介護は恒常的に高額な投資されている状況にないので、対応するメリットよりも、対応しないメリットが大きいということで、介護報酬とは別建ての高額投資対応は行わないこととされています。

 

しかし、今回は高額投資等については、医療保険と足並みをそろえて対応すべきという意見も出ていますが、「施設・事業所の高額な設備投資にかかる消費税の負担をどう扱うか。業界は何らかの対応をとるよう強く求めているが、厚労省は今のところ慎重な姿勢を崩していない。(出所:「ケアマネタイムス」18/11/09)」という状況です。

 

今回、「②の高額投資対応」どうなるのでしょうか?

議論のプロセスと結果を注視しております。

 

 

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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。

ブログ記事は

https://www.y-itax.com/category/kaigo/

 

消費税10%への引き上げ対応の介護報酬改定の考え方

① 介護事業の消費税の考え方

 

平成30年度

「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。

① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています

② そもそも特定施設入居者生活介護とは 

③ 吹田市のサービス見込量の推計について

④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算

⑤ 「身体拘束廃止未実施減算」への対応

⑥ 身体拘束廃止未実施減算とは

⑦ 生活機能向上連携加算の創設

 若年性認知症入居者受入加算の創設

 口腔ケアによるQOL改善と栄養状態の管理を評価

 ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し

⑪ 前払金の保全措置義務違反の有料老人ホームへの指導を強化

⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了

 

「通所介護」の重要事項は次のとおり。

① ADL(日常生活動作)維持等加算の算定ポイント

 基本報酬のサービス提供時間区分の1時間ごとの見直し

③ 生活機能向上連携加算の創設のポイントと影響

 栄養スクリーニング加算創設のポイント

⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能

 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています

 通所介護の共生型サービス提供の考え方

⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合

 

「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり

① 認知症対応型共同生活介護と医療連携体制加算の区分新設

② 退院後の再入居受け入れの評価の新設

③ 緊急ショートステイの見直し

④ 口腔衛生管理体制加算の創設

⑤ 栄養スクリーニング加算の創設

⑥ 生活機能向上連携加算のポイント

⑦ 介護職員処遇改善加算の見直しポイント

 

「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり

① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入

② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し

③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収

④ かかりつけ医連携薬剤調整加算の新設

⑤ 所定疾患施設療養費Ⅱの新設

 

「訪問看護」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減

② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します

④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟

 

「居宅介護支援」重要事項は次のとおり

① 居宅介護支援は、見直されて基本報酬は約1%引き上げ

② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し

③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し

④ ターミナルケアマネジメント加算の新設

⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ

⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し

 

「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり

① 基本報酬の見直しは

 見守り的援助は身体介護に該当することを明確化

 新たに生活援助従事者研修課程が創設されました。

④ 生活機能向上連携加算に下位ランクの加算Ⅰを新設

⑤ 集合住宅減算はすべての建物が対象となります

⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識【創業者向け】

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。