社会保障審議会・介護給付費分科会で、2021年度の介護報酬改定の議論が進んでいます。

 

今回は

 

「感染症や災害への対応力強化」についてのこれまでの主な意見

 

をご紹介します。

 

介護報酬改定に向けた今後のスケジュールは次のとおりです

 

 

 

 

①分科会で2020年夏まで総論的な議論を行います。

②分科会で2020年秋以降に具体的な議論を行います。

③年末の予算編成過程で改定率が決まります。

④改定率を踏まえて2021年1月頃に答申を行います。

 

介護給付費分科会では

 

分野横断的なテーマは次の4つのテーマで議論していました

 

①地域包括ケアシステムの推進

②自立支援・重度化防止の推進

③介護人材の確保・介護現場の革新

④制度の安定性・持続可能性の確保

 

第184回(20/09/04)の介護給付費分科会では、この4つのテーマのほかに新型コロナウイルス感染症や昨今の災害の発生・対応の状況を踏まえて

新たに「感染症や災害への対応力強化」というテーマが追加されています。

 

 

今回は新たなテーマ「感染症や災害への対応力強化」についてのおもな意見をご紹介します

 

意見は次の5項目にわたります。

 

①今後の評価の在り方について

②基準上の対応について

③報酬の臨時的な取扱いについて

④新型コロナウイルス感染症に関する補正予算対応など

⑤災害時における対応について

 

 

① 今後の評価の在り方について

 

 

■新型コロナウイルス感染症の予防、まん延防止を視野に入れた地域包括ケアシステムの推進に向け、介護施設および事業所が取組を充実させ、質を高めていく観点から、その対応については基本報酬で評価すべきです。事業継続計画(BCP)の体制整備についても評価すべきです。

 

■新型コロナウイルス感染症の対応を通じ、共助の推進ではなく、公的な支援を中心とした制度設計が必要と再認識されたのではないでしょうか。日頃から足腰を強くしていくことが重要です。しっかり財源を確保していくべきです。専門職を含めて感染症対策の徹底が必要です。

 

■新型コロナウイルス感染症に関し、様々な感染防止対策を講じた上でサービス提供にあたっている事業所に対しては、たとえば基本報酬に一定の割合を加算するなど特例的な対応を提案したい。また、一時的なものでなく、恒久的な仕組みとしてもらいたい。

 

■訪問介護の場合、新型コロナウイルス感染症のリスクをヘルパー自体が背負う形になっているのではないでしょうか。ヘルパー特有の事業継続に関する影響に十分留意する必要があります。

 

 

② 基準上の対応について

 

 

■感染症対策に係る基準の規定が例として示されていますが、標準的に予防やまん延防止の対応ができるよう仕組みが必要ではないでしょうか。施設では感染症対策の委員会の開催が3ヶ月に1回以上求められていますが、それを強化することも考えられるのではないしょうか。

 

■感染症対策については、研修内容の充実も必要です。実地研修を含めるべきではないでしょうか。

 

■訪問系の感染症対策に係る基準においては、施設系と異なり委員会の開催や研修の実施が求められていないので、今後、可能な範囲で検討していくべきではないでしょうか。

 

■感染症対策や災害への対応など、外部環境や外的要因に対するリスクマネジメントの対応力向上が今後必須となってきます。これらは日頃からの準備、対応、訓練が功を奏するものであるところ、こうした点についても議論すべきではないでしょうか。

 

■情報共有やリスクの予想、BCPの作成や見直し、研修や訓練について、利用者や家族も一緒に行うことで、地域の中で対応力を高めていくことが必要ではないでしょうか。

 

 

③ 報酬の臨時的な取扱いについて

 

 

■新型コロナウイルス感染症や災害対策における臨時的な取扱いについて、検証した上で、恒常的な対応が必要な事項とそれ以外の事項と整理し、対応すべきです。

 

■施設における感染症対策について、日頃からの感染防止対策に関する取組が重要です。看護職を活用しながら、体制整備や研修に事業所や施設が取り組むことができるよう、報酬体系の整理が必要ではないでしょうか。

 

■臨時的な取扱いとして、看護職などによる同行訪問が認められています。感染症対策としてだけでなく、今後は重度化防止や医療ニーズのある方への適切な身体介護の在り方に関する知識、スキルの強化のため、看護師、栄養士、歯科衛生士などの専門職が同行して支援できる恒常的な体制づくりが必要ではないでしょうか。

 

■通所系サービスの事業所職員が、居宅を訪問しサービス提供するという臨時的な取扱いについて、恒常的な実施を検討する場合は、そのサービスの要件について、明確化すべきではないでしょうか。また、訪問介護の実施に当たって初任者研修の受講が求められていることなどサービスの質の観点からも慎重に検討するべきではないでしょうか。

 

■新型コロナウイルス感染症に関連して講じている介護報酬の臨時的な取扱いのうち、通所系サービス事業所の職員が、利用者の居宅を訪問し、サービス提供する形態については恒常的に行えるようにすることを検討してはどうでしょうか。

 

■新型コロナウイルス感染症対策の関係で、加算要件における研修や会議のオンライン化が認められています。研修は引き続きICTの活用ができるようすることや、加算要件となる会議でもオンラインを認めることを前提に、見直しを行うべきです。

 

■感染予防の観点からも、今後も、ICTを活用し、非対面で対応できる業務はICT化を進めるべきです。多職種の連携・情報共有の場面や、サービス担当者会議の場面においても、ICTの活用を進めるべきではないでしょうか。

 

■新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の取扱いで、実際のサービス提供時間より上位の時間区分で請求できる取扱いが示されました。通所事業所の存続のため、国が公費を投入し対応すべきです。

 

 

④ 新型コロナウイルス感染症に関する補正予算対応など

 

 

■令和2年度第2次補正予算における慰労金については、金額が十分かという課題はあるものの、とにかく迅速に行っていただきたい。また、自治体の事務負担軽減にも配慮し、できるだけ簡素な制度としてもらいたい。

 

■新型コロナウイルス感染症への対応として、民間事業者への金融支援策の手続き簡素化や、防護具の配置について、対応をしてもらいたい。

 

■新型コロナウイルス感染症の対応として、休業補償を誰がどのような財源で行うべきか、保険制度で賄うべきものなのか、公費、補助金などで行うものなのかよく議論した上で対応していくべきです。

 

■これまで介護分野でもクラスターの発生があり、業界団体や自治体が調整して、人材確保のためのスキームを構築しており、国も応援体制について補正予算で対応しました。連携が更に図られるよう主導して欲しい。

 

■新型コロナウイルス感染症対応における情報収集においては、既に災害時に情報を集める仕組みを厚労省で準備されているのではないでしょうか。新たに情報収集するというよりはそのようなものも有効に活用するべきです。

 

■感染した場合は医療機関への入院が原則です。施設で例外的に対応することとなった場合、施設への負担は大きいです。かかり増し経費の助成などは今年度限りであり、介護報酬での評価も検討すべきではないでしょうか。

 

■認知症がある者が濃厚接触者となった場合に、地域での受け入れ先が見つからないという問題が生じています。地域単位でのサービス体制の強化について検討が必要ではないでしょうか。

 

 

⑤ 災害時における対応について

 

 

■基準以上の訓練や研修を実施したり、地域の連携体制を構築するなど、災害対策をより一層充実させるための取組に対する評価を行うべきです。

 

 

 

(出所:社会保障審議会介護給付費分科会資料 20/09/04)

 

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気でお過ごしください。

 

 

【編集後記】

近くの田んぼに稲穂が実っています。

鳥よけカイト鷹が活躍していました。

 

 

 

 

高齢化に伴う日本の社会的課題に対して、会計・税務専門職としての役割を果たしたいと考えております。

 

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2021年度介護報酬改定に向けて

 

[1] 改定のスケジュールと改定の論点となる「地域包括ケアシステムの推進」

[2] 改定の論点「自立支援・重度化防止の推進

[3] 介護報酬改定の論点「介護人材の確保」

[4]  「介護現場の革新」とはなにか

[5]   2021年度介護報酬改定の論点「制度の安定性・持続可能性の確保

[6] 「地域包括ケアシステムの推進」についてのこれまでの主な意見

[7] 「自立支援・重度化防止の推進」についてのこれまでの主な意見

[8]  「介護人材の確保・介護現場の革新」についてのこれまでの主な意見

[9] 「制度の安定性・持続可能性の確保」についてのこれまでの主な意見

 

 

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