社会保障審議会・介護給付費分科会で、2021年度の介護報酬改定の議論が進んでいます。

 

今回は

 

「制度の安定性・持続可能性の確保」についてのこれまでの主な意見

 

をご紹介します。

 

介護報酬改定に向けた今後のスケジュールは次のとおりです。

 

 

 

 

①分科会で2020年夏まで総論的な議論を行います。

②分科会で2020年秋以降に具体的な議論を行います。

③年末の予算編成過程で改定率が決まります。

④改定率を踏まえて2021年1月頃に答申を行います。

 

 

 

第176回(20/03/16)以降の介護給付費分科会で出された意見を、事務局が取りまとめています。

次の4つのテーマで取りまとめています。

資料から分科会でのこれからの議論の方向性を考えることができます。

 

4つのテーマは次のとおりです。

 

①地域包括ケアシステムの推進

②自立支援・重度化防止の推進

③介護人材の確保・介護現場の革新

制度の安定性・持続可能性の確保

 

この4つのほか、新たに「感染症や災害への対応力強化」が追加されています。(20/09/04 社会保障審議会介護給付費分科会資料)

 

今回は、このうち④の「制度の安定性・持続可能性の確保」についてのおもな意見をご紹介します。

 

「制度の安定性・持続可能性の確保」の考え方は次のとおりです

 

■制度の安定性、持続可能性の確保を図るためには、介護報酬の面でも現役世代の負担が増大することがないようなメリハリをつけた評価が必要です。

 

■介護サービスの適正化、重点化を図る前提として、サービスの質に影響が出ていないかを確認する必要があります。

 

■第8期事業計画期間中に団塊の世代が後期高齢者となる中、現役世代の負担が更に膨らむことに強い危機感があります。制度の安定性や持続可能性を議論する際に、サービスの適正化や重点化について、現状を踏まえた具体的な課題の設定が必要です。

 

■制度の持続可能性を議論するに当たっては、負担増や給付削減により、利用者の生活の維持が立ち行かないことがないよう、審議等を行うべきです。

 

■報酬全体の在り方として、自治体の意見も踏まえ、保険料水準に留意しながら、地域やサービスの実情に即した報酬単価とすることが必要です。

 

■限られた資源の中で、重点化・適正化という観点を重視するべきです。たとえば、居宅介護支援も含めた集合住宅等へのサービス提供の在り方や、生活援助中心型のサービスの在り方、また、軽度の方へのサービス提供を適正化していくことも論点になるのではないでしょうか。利用者の意見と同時に、負担者の納得というものを得る努力が必要です。

 

■平成30年度の改定で、保険給付の公平性を確保する観点から、集合住宅居住者への訪問介護等に関する減算に係る区分支給限度基準額の制度見直しが行われましたが、訪問介護以外にも減算ルールのあるサービスがある中で、訪問介護のような不公平なことが起きていないのか、改めて見直しの必要性を検討するべきです。

報酬体系の簡素化について

 

■複雑な報酬体系となっており、サービス利用者にとっても、事業者や保険者に取っても分かりにくいため簡素化し、明快な報酬体系を構築することが必要です。

 

■誰にでも分かるような介護報酬とするため、例えば、期間経過し普遍化された加算は基本サービス費に取り入れるなど、介護報酬の簡素化について検討が必要です。

 

 

新型コロナウイルス感染症や災害を踏まえた今後の対応について

 

【今後の報酬や基準上の対応について】

 

■新型コロナウイルス感染症等の予防、まん延防止を視野に入れた地域包括ケアシステムの推進に向け、介護施設および事業所が取組を充実させ、質を高めていく観点から、その対応については基本報酬で評価すべきです。事業継続計画(BCP)の体制整備についても評価すべきです。

 

■感染症対策に係る基準の規定例が示されていますが、標準的に予防やまん延防止の対応ができるよう仕組みが必要です。施設では感染症対策の委員会の開催が3ヶ月に1回以上求められていますが、それを強化することも考えられます。

 

■新型コロナウイルス感染症に関し、様々な感染防止対策を講じた上でサービス提供にあたっている事業所に対しては、たとえば基本報酬に一定の割合を加算するなど特例的な対応を提案したい。また、一時的なものでなく、恒久的な仕組みとしてもらいたい。

 

■新型コロナウイルス感染症の対応を通じ、共助の推進ではなく、公的な支援を中心とした制度設計が必要と再認識されたのではないでしょうか。日頃から足腰を強くしていくことが重要であり、しっかり財源を確保していくべきです。専門職を含めて感染症対策の徹底が必要です。

 

■新型コロナウイルス感染症や災害対策における臨時的な取扱いについて、検証した上で、恒常的な対応が必要な事項とそれ以外の事項と整理し、対応すべきです。

 

【研修などの対応について】

 

■施設における感染症対策について、日頃からの感染防止対策に関する取組が重要であり、看護職を活用しながら、体制整備や研修等に事業所や施設が取り組むことができるよう、報酬体系の整理が必要です。

 

■感染症対策については、研修内容の充実も必要です。実地研修等を含めるべきです。

 

■新型コロナウイルス感染症対応における情報収集においては、既に災害時に情報を集める仕組みを厚労省で準備されているのではないでしょうか。新たに情報収集するというよりはそのようなものも有効に活用するべきです。

 

■感染症対策や災害への対応など、外部環境や外的要因に対するリスクマネジメントの対応力向上が今後必須となってきます。これらは日頃からの準備、対応、訓練等が功を奏するものであるところ、こうした点についても議論すべきです。

 

新型コロナウイルス感染症に関する補正予算対応等について

 

■令和2年度第2次補正予算における慰労金については、金額が十分かという課題はあるものの、とにかく迅速に行っていただきたい。また、自治体の事務負担軽減にも配慮し、できるだけ簡素な制度としてもらいたい。

 

■新型コロナウイルス感染症への対応として、民間事業者への金融支援策の手続き簡素化や、防護具の配置について、対応をしてもらいたい。

 

■新型コロナウイルス感染症に係る介護報酬の取扱いで、実際のサービス提供時間より上位の時間区分で請求できる取扱いが示されましたが、通所事業所の存続のため、国が公費を投入し対応すべきです。

 

■新型コロナウイルス感染症の対応として、休業補償を誰がどのような財源で行うべきか、保険制度で賄うべきものなのか、公費、補助金等々で行うものなのかよく議論した上で対応していくべきです。

 

■これまで介護分野でもクラスターの発生があり、業界団体や自治体が調整して、人材確保のためのスキームを構築しており、国も応援体制等について補正予算で対応したが、連携が更に図られるよう主導して欲しい。

 

 

(出所:社会保障審議会介護給付費分科会資料 20/07/08)

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気でお過ごしください。

 

 

高齢化に伴う日本の社会的課題に対して、会計・税務専門職としての役割を果たしたいと考えております。

 

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2021年度介護報酬改定に向けて

 

[1] 改定のスケジュールと改定の論点となる「地域包括ケアシステムの推進」

[2] 改定の論点「自立支援・重度化防止の推進

[3] 介護報酬改定の論点「介護人材の確保」

[4]  「介護現場の革新」とはなにか

[5]   2021年度介護報酬改定の論点「制度の安定性・持続可能性の確保

[6] 「地域包括ケアシステムの推進」についてのこれまでの主な意見

[7] 「自立支援・重度化防止の推進」についてのこれまでの主な意見

[8]  「介護人材の確保・介護現場の革新」についてのこれまでの主な意見

 

2040年問題

 

① 介護保険制度地域支援事業の「生活支援サービス」へのニーズの増加

 介護サービスの利用者数は2040年度までに約1.5倍に増える見込です

③ 「ポスト2025年」2040年に向けて介護事業を考えるときの視点

④ 2040年に向けて介護事業を考えるときの視点「健康寿命の延伸」とは

 介護事業を考えるときの視点「医療・福祉サービスの改革」とは

⑥ 介護事業を考えるときの視点「健康寿命の延伸プラン」の内容とは

⑦ 生産性の向上を図るための「医療・福祉サービスの改革」の内容とは

 「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」マンパワーシミュレーション

 介護ロボット開発等加速化事業と税制優遇措置(税額控除と固定資産税の特例

⑩ 介護ロボットの導入による業務負担軽減と経営力向上計画の作成

⑪ 管理者要件」主任ケアマネジャー以外も継続可能です。経過措置を6年間延長

 2021年度介護報酬改定に向けた検討事項について

 2021年度「介護保険制度改正の全体像」(介護保険制度の見直し関する意見

 「一般介護予防事業の推進」~介護保険制度の見直し関する意見

⑮ 総合事業の効果的な推進 ~ 介護保険制度の見直し関する意見(介護保険部会

 求められるケアマネジメントとは何か

 保険者(市町村)機能の強化を図るためのPDCAプロセスの推進

 保険者(市町村)機能の強化【調整交付金】【データ利活用の推進】

 地域の実情に応じた地域包括ケアシステムの取り組みが必要

 地域包括ケアシステムの推進【医療・介護の連携

㉑ これからの介護保険事業計画における「認知症施策の総合的な推進

 「介護人材の確保と介護現場の革新」~介護保険制度の見直し関する意見

 被保険者範囲と受給者範囲の見直しの視点【介護保険制度の見直し関する意見】

㉔ 今後の補足給付の在り方についての検討【介護保険制度の見直し関する意見】

㉕ 施設サービスにおける多床室の室料負担について

 ケアマネジメント(居宅介護支援)の10割給付(自己負担はゼロ)の見直し

 軽度者(要介護1・2)への生活援助サービスに関する給付の在り方について

 費用負担が重いときの高額介護サービス費(利用者負担が一定額を超えると払い戻しされます)について

 利用者負担割合を「3割」または「2割」とする所得等基準について

 現金給付を介護保険給付として制度化するか否か

 要介護認定制度の簡素化について

㉜ 住所地特例の対象施設と同一市町村にある認知症高齢者グループホームを住所地特例の対象とすることについて

 

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「介護事業」

・水曜日は「消費税」

木曜日は「知っておきたい法人税の基礎知識」

・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」

・土曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」

・日曜日は、テーマを決めずに書いています。

 

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