井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2020.09.02.Wed | 消費税

土地売却の際に不動産業者に支払った仲介手数料は仕入税額控除ができますか?95%ルール ~ 消費税[58]

 

水曜日は消費税の記事を書いています。

 

今回は

 

土地売却の際に不動産業者に支払った仲介手数料は仕入税額控除ができますか?95%ルール

 

を紹介します。

 

消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額を控除して計算します。

 

「課税仕入れ」とは、事業のために他の者から資産の購入や借り受けを行うこと、または役務の提供を受けることをいいます。ただし、非課税となる取引や給与などの支払は含まれません。

 

土地の売却は非課税ですので、仲介手数料は非課税売上に対応する「課税仕入れ」になります。しかし、仕入税額控除の対象となるのかならないのか?

次のように判定します。

 

仕入控除税額計算の方法の考え方について

 

課税売上割合が95%以上の場合には、非課税売上げに対応する課税仕入れを含めて、その全額について仕入税額控除の対象とすることができます。

 

しかし

課税売上割合が95%未満の場合

 

課税仕入れに係る消費税額の全額を控除できません。

個別売上対応方式または一括比例配分方式のいずれかの方法により計算することになります。

 

※ 課税売上割合が95%以上であっても、課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、個別売上対応方式または一括比例配分方式のいずれかの方法により計算することになります。

 

 

個別売上対応方式とは

 

課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを

①課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの

②非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの

③課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの

 

に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。

 

(算式)

仕入控除税額 = ① + (③ × 課税売上割合)

この方式は①~③の区分がされている場合に限り、採用することができます。

 

一括比例配分方式とは

 

個別対応方式を適用する場合は、課税仕入れの税額を、その用途に応じて①~③に区分する必要があります。

用途区分が困難な事業者に対する簡便法として一括比例配分方式が認められています。

 

(算式)

仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合

 

 

個別売上対応方式または一括比例配分方式の選択について

 

■課税仕入れの用途区分ができる場合でも、一括比例配分方式を適用することは問題ありません。

 

■ただし、一括比例配分方式を選択した場合には、2年間以上継続して適用した後でなければ、個別対応方式に変更することはできません。

 

■個別売上対応方式と一括比例配分方式を比較して、いずれか有利な方法を採用します。(2年間分について有利・不利を検討します。)

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

秋の1日を元気にお過ごしください。

 

 

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[55]  売上げに返品や値引きがあった場合の消費税の課税標準額の計算

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