銀行の融資方法にも歴史があります。

バブル後、金融検査マニュアルに伴い、金融機関は中小企業への経常運転資金に約定弁済を求めるようになっていました。

 

経常運転資金の融資について

 

かつては1年以内の手形貸付を継続的に書き換えていく短期の融資が行われていましたが、バブル後、約定返済のついた長期の融資で実行されてことが多くなっていました。

こうなると、中小企業は長期間にわたって経常運転資金を利益から返済していかなければならない状態になってきたわけです。

 

経常運転資金とは

運転資金とは、「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルの中で、経常的に必要となる資金です。

 

運転資金をわかりやすく図にすると

 

 

「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルを考えると、現金が棚卸資産(在庫)と売掛債権に変化し、現金回収までにお金が寝てしまいます。

その結果運転資金が発生します。

 

運転資金を算式にすると

 

 

経常運転資金に対する融資が、約定弁済を求める証書貸付であると

 

商品の売却代金は返済に回り、極端にいうと新たな仕入はできなくなります。

つまり、約定返済を滞りなく行うだけの利益をあげていないと返せなくなります。

 

 

金融庁は、こうした銀行の融資姿勢が悪影響を及ぼしているとの判断から、2015年1月に「短期継続融資」の拡大を促しています。

 

「短期継続融資」とは

 

①経常(正常)運転資金を融通するための融資で、期日一括返済を条件とした契約期間が1年以内の短期の融資のことです。

②期日到来時に手形貸付等の書き替えで融資をつなぎ、返済期限を延長します。

③借入金を返済せず、金利だけを支払えばよいものです。

④無担保、無保証で融資する代わりに、金融機関が定期的に事業内容を精査します。

 

金融庁は、「短期継続融資」について、次のとおりアナウンスしています

 

(2015年1月金融検査マニュアル事例20)

①「短期継続融資」は金融機関の目利き力発揮の一手法となり得る

金融機関にとっては、債務者の業況等を踏まえた融資が行えるよう目利き力を発揮することが重要である。その手法は様々であるが、例えば、経常(正常)運転資金について、債務者のニーズを踏まえた上で、無担保・無保証の短期融資(1年以内)で応需し、書替え時に債務者の業況や実態を適切に把握して、その継続の是非を判断することは、目利き力発揮の一手法となり得る。

 

②正常運転資金の範囲は債務者の業況や実態に合わせて柔軟に検討する必要がある

債務者が正常な営業を行っていく上で恒常的に必要と認められる経常(正常)運転資金に対して、「短期継続融資」で対応することは何ら問題なく、妥当な融資形態の一つであると認められる。

 

経常(正常)運転資金の算出については、企業の業況や実態の的確な把握と、それに基づく今後の見通しや、企業活動に伴うキャッシュフローの実態に留意した検討が必要になります。

 

 

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冬の1日を元気にお過ごしください。

 

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土曜日は「会計」を紹介しています。

ブログ記事はhttps://www.y-itax.com/category/keiri/

 

会計超理解ハンドブック(No1~No17)

① 会計の勉強を始めたが…

② 財務三表とは?

③ 損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください

④ 損益計算書は前期と比較する

 貸借対照表は三つの箱で理解する!

⑥ 貸借対照表は五つの箱で考える。

⑦ 貸借対照表で現金を増やす方法がわかる。 

⑧ キャッシュフロー計算書は資金繰り表です

 ⑨ 減価償却費って何ですか

 ⑩ 利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる

⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です

⑫ 貸借対照表のチェックポイント「固定資産と純資産」です。

⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です

⑭ 貸借対照表は2期分ならべて比べる。  

⑮ 利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです。   

⑯ 毎月、試算表を作成して活用する!

⑰ 月次の試算表から、資金繰りを把握する方法

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

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