井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2019.02.16.Sat | 経理・会計

中小企業の場合、銀行は経営者と企業を一体として判断します ~ 経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方②

 

中小企業の資金調達に役立つよう、中小企業が銀行から高く評価されるためのヒントを、金融庁が作成した中小企業融資編を参考にして、その考え方を紹介していきます。

 

「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」は、銀行が中小企業に融資を行うにあたって、その企業をどう評価するのか?

その視点となるポイントを分かりやすく解説しています。

銀行のこうした視点を理解することにより、銀行はいかに企業を評価するか?評価を上げて資金調達を有利にする方法を把握することをおすすめします。

 

今回のポイントは

「中小企業の場合、銀行は経営者と企業を一体として判断します」

です。

 

つまり、代表者等が企業を支援する意思がある場合には、代表者の預金や不動産等の財産を、企業の返済能力に加えて判断するということです。

代表者に支援意思があれば、保証人になっていなくても問題はありません。

 

たとえば、ある不動産業者の事例を見ますと

 

不動産業者(債務者)の概況

 

■不動産業者B社、借入金残高180,000,000円

■不動産仲介、賃貸、戸建分譲の事業を展開しています。

 

おもな財務状況

 

①景気低迷により仲介物件や戸建分譲が減少しています。

②売上は下落傾向で、毎期赤字計上しています。

②分譲計画の失敗により塩漬けとなっている土地が多額の含み損を抱えています。実質債務超過になっています。

 

現況と今後の状況

 

→ 代表者が個人預金から返済を行っています。

→ 代表者は、土地の不動産および家族預金を実質債務超過額よりも多く保有しています。

→ 代表者はこれらの資産を提供する覚悟があります。

 

銀行の評価のポイント

 

代表者が企業の実質債務超過相当額を上回る個人資産を保有しており、その資産を提供する意思が確認されています。また、個人資産から返済を行っています。

したがって、経営破綻に陥る可能性は高くないと評価されています。

 

代表者の資産について

 

代表者の資産の有無のみならず、負債や代表者個人の収支状況は重要なものとなります。

たとえば、確定申告書や資産の登記簿謄本、金融機関やローン会社等の抵当権の設定などが精査されます。

そのうえで、代表者に今後の正常返済を履行するための十分な返済余力、資産余力があるならば問題ないことになります。

 

ようするに

代表者等が企業を支援する意思がある場合には、代表者等の預金や不動産等の財産も、企業の返済能力に加えて評価されるということです。

 

Every day is a new day!

冬の1日を元気にお過ごしください。

 

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経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方

銀行はいかに企業を評価するか?評価を上げて資金調達を有利にする方法

① 銀行は中小企業の評価を実体的な財務内容で判断します

 

経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方

① 借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?

② 決算書の全体像をイメージする

③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう

④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります

⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意

⑥ 粗利率ではなく粗利益(売上総利益)でみる

⑦ 販管費とは営業にかかった費用のことをいいます。 

⑧ 交際費は年間800万円までが経費になります。 

⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。 

⑩ 価値を減じて償却する。減価償却費とは何か

⑪ 経常利益・略してケイツネはPLの中で最も重要な利益

⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益

⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です

⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます

⑮ 流動資産の3つの区分~資産でないものが含まれています

⑯ 固定資産は使い続けることで利益を生み出す資産です

⑰ 固定資産が償却不足になっていませんか

 土地の価額は、資産価値の実態を反映していますか?

⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です

⑳ 貸付金に回収のあてのないものが隠れていませんか

 貸付金のうち、中小企業で最も多いのは社長への役員貸付金

㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい

㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月

㉔ 売掛金の期末残高について注意したい3つのポイント

㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます

 高額な仮払金・立替金などは決算書に計上してはいけません

㉗ 債務の計上はもれてしまいます。計上もれを防ぐための方法 

㉘ 運転資金を算出するための計算ポイントと必要運転資金

㉙ 中小企業の借入限度額は?借入金の妥当額の考え方

 自社でやる借入金の3つのチェックポイント

㉛ 仮受金のなかに借入金はありませんか

㉜ 創業者の9割は決算書を見ていない。はじめての決算書6つのチェックポイント

㉝ 「利益」と「借入限度額」の目安

㉞ つぶれない会社を決算書からチェックする3つのポイント

 社長からの借入金はメリットになるときがあります

 実態バランスシートで経営を把握します

 月次試算表のチェック方法① 現預金の残高からチェックします

㊳ 月次試算表のチェック方法② 次に利益剰余金と売掛金

㊴ 月次試算表のチェック方法③ 棚卸資産と貸付金

㊵ 月次試算表のチェック方法④ 負債科目の買掛金と未払金

㊶ 月次試算表のチェック方法⑤  キャッシュフローをつかむ

㊷ 月次試算表のチェック方法⑥  損益計算書のチェックポイント

㊸ 月次試算表のチェック方法⑥ 損益計算書「売上」のチェックポイント

 借入金の返済額のうち元金は、損益計算書に計上されません

㊺ 短期継続融資による経常運転資金の調達

㊻ 金融検査マニュアル別冊の「事例20」短期継続融資

 短期継続融資が何ら問題ない事例

 

土曜日は「会計」を紹介しています。

ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/

 

会計超理解ハンドブック(No1~No17)

① 会計の勉強を始めたが…

② 財務三表とは?

③ 損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください

④ 損益計算書は前期と比較する

 貸借対照表は三つの箱で理解する!

⑥ 貸借対照表は五つの箱で考える。

⑦ 貸借対照表で現金を増やす方法がわかる。 

⑧ キャッシュフロー計算書は資金繰り表です

 ⑨ 減価償却費って何ですか

 ⑩ 利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる

⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です

⑫ 貸借対照表のチェックポイント「固定資産と純資産」です。

⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です

⑭ 貸借対照表は2期分ならべて比べる。  

⑮ 利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです。   

⑯ 毎月、試算表を作成して活用する!

⑰ 月次の試算表から、資金繰りを把握する方法

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説

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