井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2019.05.31.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

「相続時精算課税制度」の贈与税・相続税の税額計算の方法 ~ これならわかる相続税㉜

 

金曜日は「相続税をわかりやすく!」です。

 

相続時精算課税の制度とは

60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

 

制度の概要は

→ 相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です

 

制度には贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

 

贈与税額の計算

 

暦年課税と区分して計算します

 

(出所:国税庁パンフレット)

 

相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算します。

 

■特別控除額(限度額:2,500万円)があります

 

その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。

 

選択後、続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた場合は

 

相続時精算課税を選択した受贈者が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率を適用し贈与税額を計算します。

 

一方、相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできません。贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要があります。

 

相続税額の計算

 

贈与税は相続税を通じて精算します

 

相続時精算課税を選択した者にかかる相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。

 

控除しきれない場合は、還付を受けることができます 

 

その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。

 

贈与時の時価で計算します

 

相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。

 

適用手続

 

相続時精算課税を選択しようとする受贈者(子または孫)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を、受贈者の戸籍の謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出します。

 

暦年課税に変更することができません

 

相続時精算課税は、受贈者(子または孫)が贈与者(父母または祖父母)ごとに選択できます。

いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなる時まで継続して適用されます。

暦年課税に変更することはできません。

 

 

親子間で贈与税と相続税を合わせてオーダーメイドで検討することになります。

有利であれば相続時精算課税を選択します。

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

 

Every day is a new day!

春の1日を元気にお過ごしください。

 

 

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金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。

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「相続税をわかりやすく!」の記事は

http://www.y-itax.com/category/souzoku/

 

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・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は法人節税策の基礎知識

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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