金融庁作成の中小企業融資編を参考に、中小企業が銀行から高く評価されるためのヒントを紹介します。

銀行の視点を理解することにより、「銀行はいかに企業を評価するのか?」「銀行からの評価を上げて資金調達を有利にする方法」を知っておくことをおすすめします。

 

今回のポイントは

書き替え継続中の手形貸付にかかる不良債権(貸出条件緩和債権)とは?

の考え方です。

 

借り手を支援するため

 

①金利の引下げ、②金利・元本の支払猶予、③返済期限の延長、④債権放棄など

借り手に有利な条件変更を行った貸出金は不良債権(=貸出条件緩和債権)になります。

 

しかし、信用リスクに見合った金利が確保されていれば、借り手に有利な条件変更にならないため、不良債権にはなりません。

 

たとえば建設業者X社

 

■借入残高448百万円

■大手住宅建設業者の下請工事、個人一般木造住宅のほか一般建設を手掛けています。

■大手住宅建設業者からの受注工事につき安定した受注量があります。

 

おもな財務状況

 

①建設業者のコスト削減の影響を受け、3期前から赤字を計上しています。

②5年前に銘木の仕入れ資金の融資を受けています。

 

現況と今後の状況

 

→ 新規大規模住宅の受注の減少により、在庫資金名目の運転資金が返済できていません。

→ 元本の返済期日について、6ヶ月間延長を繰り返しています。

→ 在庫銘木の価値は毀損していません。

→ 在庫処分による返済実績があります。同業者への在庫処分を実施することにより、返済に充てたいとしています。

 

評価のポイント

 

■短期間での業務改善は見込めません。

■元本の返済期日について、実質上、条件変更を行っている状態です。

■在庫資金名目の運転資金については、在庫処分により全額回収する予定です。

■在庫処分による返済実績を勘案すれば返済財源は確実と見込まれます。

■経営破綻に陥る可能性は高くないと見込まれます。(問題ないとまではいえません。注意は必要です)。

■実質上、条件変更を行っていますが、貸出金は返済財源が確保されています。信用リスクが低くなるため、貸出金利は信用リスクに見合った金利を上回っています。不良債権にはなりません。

 

(出所:金融庁「知ってナットク!事例集」POINT18)

 

 

さらに事例では「短期継続融資」との違いを次のように説明しています。

 

コロガシ状態とは

 

「書替えが継続している手形貸付については、債務者の返済能力の低下(信用リスクの増大)から期日返済が困難となり、実際は条件変更を繰り返している長期資金と同じ状況(いわゆる「コロガシ状態」)となっている場合があるため、その原因について十分に検討する必要がある」

 

正常運転資金の範囲内での短期継続融資とは

 

「書替えが継続している手形貸付であっても、いわゆる正常運転資金については、そもそも債務者の支援を目的とした期限の延長ではないことから、貸出条件緩和債権には該当しないものと考えられる」

 

不良債権(貸出条件緩和債権)に該当する場合とは

 

「貸出当初において正常運転資金であっても、 例えば、在庫商品について価値の下落が発生し、返済財源もない場合には手形書替え時をもって貸出条件緩和債権に該当することもあると考えられることから、その実態に応じた判断が必要である。」

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

梅雨晴れの1日を元気にお過ごしください。

 

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銀行はいかに企業を評価するか?評価を上げて資金調達を有利にする方法

① 銀行は中小企業の評価を実体的な財務内容で判断します

 銀行は経営者と企業を一体として判断します

 金融機関が取引先の将来性を判断する際のポイント「技術力

 将来性を判断する際のポイント「販売力

 金融機関が取引先を判断する際のポイント「代表者個人の信用力

 経営改善に向けた取り組みが大切

 経営改善に向けた取り組みが高く評価されます

⑧ 今後の再建可能性を銀行が判断する際のポイント「本業の収益力

⑨ 「企業の返済能力」は重要な判断ポイント

⑩ 信用保証協会の保証により融資保全されている場合は条件変更が行いやすい

 金融検査マニュアルの廃止と健全性政策基本方針の策定

 経営改善計画の策定とその具体的な実行があれば、不良債権にはなりません

 大幅な赤字や債務超過でも、キャッシュフローの状況で判断します

 多額の代表者報酬で会社が赤字となっているケース

 家族の支援・資力は、企業の返済能力に含まれます

 債務超過でも商品実績や新規販売経路の開拓に見込がある中小企業は評価されます

 経営改善計画を策定していない場合でも、経営改善に向けた取り組みが評価されます

 外部要因にともなう一時的な影響による計画未達に対する評価とは

 設備投資をしたのに、運転資金で借り入れている場合

 

経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方

① 借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?

② 決算書の全体像をイメージする

③ 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう

④ 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります

⑤ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意

⑥ 粗利率ではなく粗利益(売上総利益)でみる

⑦ 販管費とは営業にかかった費用のことをいいます。 

⑧ 交際費は年間800万円までが経費になります。 

⑨ 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。 

⑩ 価値を減じて償却する。減価償却費とは何か

⑪ 経常利益・略してケイツネはPLの中で最も重要な利益

⑫ PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益

⑬ 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です

⑭ 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます

⑮ 流動資産の3つの区分~資産でないものが含まれています

⑯ 固定資産は使い続けることで利益を生み出す資産です

⑰ 固定資産が償却不足になっていませんか

 土地の価額は、資産価値の実態を反映していますか?

⑲ 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です

⑳ 貸付金に回収のあてのないものが隠れていませんか

 貸付金のうち、中小企業で最も多いのは社長への役員貸付金

㉒ 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい

㉓ 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月

㉔ 売掛金の期末残高について注意したい3つのポイント

㉕ 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます

 高額な仮払金・立替金などは決算書に計上してはいけません

㉗ 債務の計上はもれてしまいます。計上もれを防ぐための方法 

㉘ 運転資金を算出するための計算ポイントと必要運転資金

㉙ 中小企業の借入限度額は?借入金の妥当額の考え方

 自社でやる借入金の3つのチェックポイント

㉛ 仮受金のなかに借入金はありませんか

㉜ 創業者の9割は決算書を見ていない。はじめての決算書6つのチェックポイント

㉝ 「利益」と「借入限度額」の目安

㉞ つぶれない会社を決算書からチェックする3つのポイント

 社長からの借入金はメリットになるときがあります

 実態バランスシートで経営を把握します

 月次試算表のチェック方法① 現預金の残高からチェックします

㊳ 月次試算表のチェック方法② 次に利益剰余金と売掛金

㊴ 月次試算表のチェック方法③ 棚卸資産と貸付金

㊵ 月次試算表のチェック方法④ 負債科目の買掛金と未払金

㊶ 月次試算表のチェック方法⑤  キャッシュフローをつかむ

㊷ 月次試算表のチェック方法⑥  損益計算書のチェックポイント

㊸ 月次試算表のチェック方法⑥ 損益計算書「売上」のチェックポイント

 借入金の返済額のうち元金は、損益計算書に計上されません

㊺ 短期継続融資による経常運転資金の調達

㊻ 金融検査マニュアル別冊の「事例20」短期継続融資

 短期継続融資が何ら問題ない事例

 

土曜日は「会計」を紹介しています。

ブログ記事はhttps://www.y-itax.com/category/keiri/

 

会計超理解ハンドブック(No1~No17)

① 会計の勉強を始めたが…

② 財務三表とは?

③ 損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください

④ 損益計算書は前期と比較する

 貸借対照表は三つの箱で理解する!

⑥ 貸借対照表は五つの箱で考える。

⑦ 貸借対照表で現金を増やす方法がわかる。 

⑧ キャッシュフロー計算書は資金繰り表です

 ⑨ 減価償却費って何ですか

 ⑩ 利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる

⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です

⑫ 貸借対照表のチェックポイント「固定資産と純資産」です。

⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です

⑭ 貸借対照表は2期分ならべて比べる。  

⑮ 利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです。   

⑯ 毎月、試算表を作成して活用する!

⑰ 月次の試算表から、資金繰りを把握する方法

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は「法人節税策の基礎知識

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

免責

ブログ記事は、投稿時点での税法等に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。